決勝T1回戦で南米対決が2カード実現 [写真]=Getty Images,FIFA via Getty Images
グループステージが終わり、いよいよ負ければ終わりの決勝トーナメントに突入する。その幕開けは開催国ブラジルと、超攻撃的なスタイルでスペインを下し、オランダをも苦しめたチリによる“南米対決”だ。
従来の力関係を考えると、ブラジルが優勢だろう。ネイマールがグループステージ3試合で4ゴールを記録し、9番を背負うフレッジにも得点が生まれるなど、攻撃陣の調子が上向きであることに加え、圧倒的なパワーを持つサポーターの後押しを受けることもできる。王国のプライドにかけても、同じ南米勢に負けるわけにはいかない。しかし、今大会のチリもダークホースとしての実力を存分に発揮しており、侮れない存在。ボールを持つ相手に強烈なプレスを掛け、奪ったら一気に攻めるショートカウンターは破壊力抜群で、チアーゴ・シウヴァ、ダヴィド・ルイスを中心としたブラジル守備陣との攻防は見ものだ。ネイマールやオスカルらブラジルの若いアタッカー陣は、チリの激しい守備を前に冷静さを失わずにプレーできるか。
続いても南米対決、コロンビアとウルグアイが激突する。パワー、スピード、テクニックを兼備したコロンビアの迫力ある攻撃を、百戦錬磨のウルグアイ守備陣がどう受け止めるかが全体的な見どころとなるだろう。コロンビアはグループステージ3連勝で勢いに乗り、日本戦では主力の大半を休ませることにも成功。コンディション面における不安はない。対するウルグアイは、キャプテンのディエゴ・ルガーノが左ひざの痛みでイングランド戦、イタリア戦を欠場したものの、「100パーセントではないが、状態は良くなっている」と語っており、南米のライバルチームとの一戦だけにけがを押して出場する可能性は高い。その一方で、イタリア戦での“噛み付き行為”が発覚したエースストライカーのルイス・スアレスは、FIFAから代表戦9試合の出場停止と4カ月間のサッカー活動禁止という重い処分を下されてしまった。エディンソン・カバーニやディエゴ・フォルランら、その他のアタッカー陣の奮起に期待が懸かる。