先制点を決めたブライアン・ルイス(右) [写真]=Getty Images
ブラジル・ワールドカップの決勝トーナメント1回戦が29日に行われ、コスタリカ代表とギリシャ代表が対戦した。
“死の組”と呼ばれたグループDでまさかの首位通過を果たしたコスタリカ。1990年大会以来のベスト16では、グループ最終節のイングランド戦から2選手が変更となった。一方、日本と同組のグループCを2位で突破し、初の決勝トーナメント進出となったギリシャは、コートジボワール戦から1選手の変更となった。
試合は両者、守備をベースにして速攻を狙う展開。ギリシャは37分、左サイドのホセ・ホレバスから送られたファーサイドへのアーリークロスを走りこんだディミトリス・サルピンギディスがボレーで合わせたが、GKケイラー・ナバスが右足に当てて防ぐ。前半は両チーム決定機は少なく、遠目からのシュートが多い中、終了する。
ハーフタイムでの両チームのメンバー変更はなく、後半立ち上がりの47分。ギリシャは左サイドでFKを得ると、ゴール前に送られたボールにゲオルギオス・サマラスがヘディングで合わせたが、GKナバスの正面だった。
迎えた52分、コスタリカはパス交換から左サイドのクリスティアン・ボラーニョスからパスが中央に送られると、ブライアン・ルイスが左足でシュート。グラウンダーのボールは味方DFに重なって見えなかったのか、GKオレスティス・カルネジスは動けず。右サイドの隅へと吸い込まれ、先制に成功する。
ギリシャは57分、アンドレアス・サマリスを下げ、コンスタンティノス・ミトログルがピッチへ。コスタリカは66分にイェルツィン・テヘダとホセ・ミゲル・クベロが交代する。直後の67分、コスタリカはホレバスを倒したオスカル・ドゥアルテがこの試合2度目の警告を受け、退場処分となる。
数的優位を得たギリシャはすぐにサルピンギディスを下げて、テオファニス・ゲカスを投入する。ギリシャがコスタリカ陣内でプレーする時間が増えると、コスタリカはクリスティアン・ガンボア、ボラーニョスに代わってジョニー・アコスタ、ランダル・ブレネスが相次いでピッチへ。ギリシャもコンスタンティノス・カツラニスが入り、両チームとも交代枠を使い切った。
押し込む時間が続くギリシャだが、なかなか得点できずに時間が経過。しかし迎えた後半のアディショナルタイム。左サイドからクロスを上げると、ゴール前の混戦からゲカスがシュート。至近距離でのボールをGKナバスが弾くも、こぼれ球をソクラティス・パパスタソプーロスが蹴りこんで、土壇場で同点とした。さらに逆転を目指すギリシャはヴァシリス・トロシディスの右からのアーリークロスをミトログルがヘディングで合わせたが、GKナバスが好反応で防ぐ。試合は同点のまま延長戦へ。
延長に入ると数的優位を活かして攻めるギリシャに対して、コスタリカはカウンターで機をうかがう。延長後半にはギリシャに2度決定機が訪れたが、どちらもGKナバスが好守で得点を許さず。試合はブラジル対チリ戦に続いて、本大会2度目のPK戦となる。
PK戦では開始前にギリシャのフェルナンド・サントス監督が抗議で退席処分に。3人ずつが決めて迎えた4人目。先攻のコスタリカはジョエル・キャンベルが成功したのに対し、ギリシャはゲカスのシュートをGKナバスがセーブ。コスタリカは5人目のマイケル・ウマニャが成功し、5-3でPK戦を制した。
1990年大会以来、2度目の決勝トーナメント進出となっていたコスタリカは初のベスト8入り。5日に行われる準々決勝ではオランダと対戦する。
【スコア】
コスタリカ 1-1(PK 5-3) ギリシャ
【得点者】
1-0 52分 ブライアン・ルイス(コスタリカ)
1-1 90+1分 ソクラティス・パパスタソプーロス(ギリシャ)