30日に行われるラウンド16の対戦カードは、「欧州vsアフリカ」の構図となった [写真]=Getty Images
30日に行われるラウンド16では、2試合で「ヨーロッパvsアフリカ」の構図が実現する。組織的なプレーに優れたヨーロッパのチームに対し、高い身体能力を誇るアフリカのチームがどう立ち向かうかというのが両試合の大まかな注目ポイントであり、それと同時に「攻撃vs守備」という図式も成り立つため、延長戦、PK戦までもつれ込む可能性も大いにある。
大会前の低評価を覆し、グループリーグ3試合で8得点と高い攻撃力を見せつけたフランスは、グループFの激しい2位争いを制したナイジェリアと対戦する。フランスはオフェンス、ナイジェリアはディフェンスに特長があることを踏まえると、フランスが一方的に攻め立て、ナイジェリアがカウンターに懸ける展開になるだろう。アルゼンチンから2ゴールを奪ったアーメド・ムサやボスニア・ヘルツェゴビナ戦で決勝点を挙げたピーター・オデムウィンギら、優れた走力を有するナイジェリアのアタッカーたちは、フランスのDF陣にとって大きな脅威となる。フランスとしては早めに先制点を奪い、相手の気勢をそいでおきたいところ。今大会絶好調のカリム・ベンゼマら、攻撃陣の爆発に期待が懸かる。
優勝候補の一角であるドイツは、初の決勝トーナメント進出を果たしたアルジェリアと激突。両者の力関係を考えると、ドイツの優位は揺るがないだろう。バスティアン・シュヴァインシュタイガーとサミ・ケディラのコンディションが万全でないなど、中盤にはやや不安があるため、どのような選手が起用されるのかが最初の注目ポイント。一方、2大会連続の得点王を目指すトーマス・ミュラーがここまで4得点と好調を維持している点は何よりの朗報で、この試合でも素早いパスワークの中で果敢に相手ゴールへと迫り、数多くのチャンスを創出するだろう。アルジェリアは、とにかくゴール前を固めて相手の攻撃を耐え抜き、カウンターやセットプレーから得点を狙うのが現実的な戦術プラン。攻撃を持ち味とする相手をシャットアウトし続けて焦りを誘えば、わずかなチャンスが見えてくるかもしれない。