1930年にW杯初大会を制覇したウルグアイ代表にトロフィーを渡すリメ会長(左) [写真]=Getty Images
盗まれた初代ワールドカップトロフィーである「ジュール・リメ・トロフィー」の一部が、スイスのチューリッヒにあるFIFA(国際サッカー連盟)本部の地下倉庫で発見されたと、イギリスメディア『BBC』が13日に報じている。
ワールドカップは、1921年からFIFA会長を務めていたジュール・リメ氏が企画し、1930年にウルグアイで初開催された。同大会は母国開催となったウルグアイ代表が決勝でアルゼンチン代表を破り、リメ氏の名が冠されたジュール・リメ・トロフィーを掲げて、初代チャンピオンの座に輝いた。
1934年のイタリア大会、1938年のフランス大会ではイタリア代表が連覇。1942年、1946年は第二次世界大戦で中止を強いられるが、1950年にブラジル大会でワールドカップは再開し、ウルグアイ代表が2度目の優勝を果たした。その間、ジュール・リメ・トロフィーの台座部分には優勝国の名前が刻まれている。
そして、スイス大会が開催された1954年。大会前には台座の交換が行われ、新しい台座には同大会を制覇した西ドイツの名前が刻まれた。その年、リメ氏もFIFA会長を退任している。
その後、1958年のスウェーデン大会、1962年のチリ大会でブラジル代表が連覇を果たし、1966年のイングランド大会でイングランド代表の優勝をはさんで、1970年のメキシコ大会でブラジル代表が3度目の制覇を達成。この業績を称え、ジュール・リメ・トロフィーはブラジルが永久に保持することとなったが、1983年に同トロフィーは盗難に遇い、現在も見つかっていない。
2015年1月13日、『BBC』はジュール・リメ・トロフィーの一部が発見されたと報道。FIFA本部の地下に眠っていたのを発見されたのは、同トロフィーの高さ10センチの8角形をした台座で、そこには1930年から1950年までの優勝国の名前が4つ刻まれており、オリジナルのものであった。
FIFAミュージアムのクリエイティブ・ディレクターを務めるデイヴィッド・オーセル氏は、「私たちはこの台座がブラジルで失われたと思っていました」と発見に驚いた様子で、「エジプトのミイラを見つけたみたいです。家宝だから、値段をつけることはできません」とコメント。さらに、「ジュール・リメ会長が見て以来、このオリジナルの台座はどのFIFA会長も目にしていないと思います」と語っている。
発見された台座は、2016年3月にスイスのチューリッヒでオープンが予定されている「FIFAワールド・フットボール・ミュージアム」で展示される。