有吉(右から3番目)の得点を喜ぶなでしこジャパン [写真]=FIFA via Getty Images
FIFA女子ワールドカップ・カナダ2015の決勝トーナメント1回戦が23日に行われ、なでしこジャパンとオランダ女子代表が対戦した。
なでしこジャパンはグループステージで3連勝を収めて突破を果たした。今大会は既に23人の登録メンバー全員が出場機会を得ており、万全のコンディションで決勝トーナメント初戦に臨む。グループ最終戦となったエクアドル女子代表戦の先発メンバーから6名を変更し、2トップはFW大儀見優季とFW大野忍、GKは海堀あゆみが起用された。また、MF澤穂希はベンチスタートとなっている。一方のオランダは、グループAを1勝1分け1敗で突破し、3位で決勝トーナメント進出を果たした。
試合序盤にチャンスを作ったのはオランダ。6分、ヴィヴィアンネ・ミーデマの落としから、シェリダ・スピッツがミドルシュート。しかし、ここは枠の上に外れてしまう。直後の7分には、DFラインの裏に抜けだしたマノン・メリスがフリーでシュートを狙ったが、ここは軸足にボールが当たってしまい、空振りしてしまう。
立ち上がりから積極的に出るなでしこ。10分、左サイドをパスワークで崩すと、抜けだした宮間あやが左足でクロスを供給。大儀見が頭で合わせたが、ここはクロスバーを直撃してしまう。しかしクリアボールが短くなったところを、ペナルティエリア右の有吉佐織がゴール左下に蹴りこみ、なでしこが先制に成功する。
続く22分、左サイドの鮫島彩がボールを持ち上がると、ゴール前の大野とワンツーで抜け出し、左足でボレーシュート。しかし、ここは惜しくも枠の上に外れてしまった。その後も攻勢を続けるなでしこ。前半終了間際の45分、右サイドを抜けだした大儀見のクロスから、大野がヘディングシュートを放ったが、惜しくも枠の左に外れてしまう。このまま追加点が生まれることなく、前半を折り返す。
押し込まれるオランダは、後半立ち上がりの53分にダニエレ・ファン・デ・ドンクを下げて、クリステン・ファン・デ・フェンを投入し、流れを変えにかかる。
なでしこはボールを支配してチャンスを作り出しながらも、なかなか追加点が奪えない。66分、大野に代えて岩渕真奈をピッチに投入する。
72分、徐々にチャンスを作るオランダは、ペナルティエリア中央でパスを受けたミーデマがペナルティエリア左に落とし、ファン・デ・フェンが右足シュート。しかし、ここは枠の左に外れた。さらに76分、左CKからあわやオウンゴールという場面があったが、海堀がビッグセーブを見せて得点を許さない。
苦しい時間を凌いだなでしこに待望の追加点が生まれる。78分、ゴール前でパスを受けた大儀見が左の宮間にパス。宮間がマイナスの折り返しを送ると、岩渕がスルーして阪口夢穂が左足ミドルシュート。カーブがかかったシュートがゴール左に決まり、なでしこがリードを広げた。
後半アディショナルタイム2分、右サイドからのクロスをファーのファン・デ・フェンがヘディングシュート。ボールは海堀の正面に飛んだが、これを後ろにこぼしてしまい、オランダが1点差に詰め寄る。
しかし、残り1分を逃げ切ったなでしこが、2-1でオランダを下してベスト8進出を果たした。
勝利を収めたなでしこジャパンは、27日に準々決勝でオーストラリア女子代表と対戦する。
【得点者】
1-0 10分 有吉佐織(なでしこジャパン)
2-0 78分 阪口夢穂(なでしこジャパン)
2-1 90+2分 クリステン・ファン・デ・フェン(オランダ女子代表)