決勝に進出したなでしこジャパン [写真]=Getty Images
文=江橋よしのり
女子ワールドカップ特集におけるプレビュー記事も7本目となった。
FIFA女子ワールドカップ カナダ2015は7月5日16時(日本時間6日8時)、決勝戦を迎える。決勝進出国は、過去優勝2回、準優勝1回のアメリカと、過去優勝1回のなでしこジャパンとなった。
またFIFAは、決勝の主審をウクライナのカテリーナ・モンズール氏と発表。モンズール氏は今大会、カナダ対中国(開幕戦)、アメリカ対ナイジェリア(グループD)、なでしこジャパン対オーストラリア(準々決勝)に続いて4試合目。
日米両国によるW杯直接対決は、過去に3度ある。対戦成績は、以下のとおり。
第1回(1991年)グループステージ アメリカ3-0日本
第2回(1995年)準々決勝 アメリカ4-0日本
第6回(2011年)決勝 日本2-2(PK3-1)アメリカ
アメリカは、W杯と五輪の二大大会において、決勝での勝率は75パーセント(8回中6回)。一方なでしこジャパンは勝率50パーセント(2回中1回)。
このような強敵であるアメリカに対し、佐々木則夫監督は、記者会見で次のようにリスペクトの気持ちを表した。
「世界ナンバーワンのアメリカには、2011年のワールドカップ前、私たちをアメリカに呼んで親善試合をやらせていただいた。また2012年には、日本がたいへんな状況だったにも関わらず、来日していただいた。我々はナンバーワンのアメリカというチームから学んで成長した。お互いにリスペクトし合っているチーム同士、明日は世界の女子サッカーの発展に寄与するような素晴らしい試合をしたい」
同じく記者会見に登壇した宮間あやキャプテンは、「勝つことしかイメージしていない」と自信を持ってコメント。続けて「ポイントは先制点だと個人的には思っています。今大会は先制点を取り続けているので、そこで自分たちのリズムにできればいいと思っています」と語った。
なでしこジャパンの先発メンバーは、おそらく決勝トーナメントに入り固定されたとおり。GK海堀あゆみ、DF有吉佐織、岩清水梓、熊谷紗希、鮫島彩、MF阪口夢穂、宇津木瑠美、川澄奈穂美、宮間あや、FW大野忍、大儀見優季の11人が予想される。
一方のアメリカは、6試合1失点と鉄壁を誇る4バック+GKは固定されているが、前線のメンバーが流動的だ。2トップの一角は、故障が回復して4試合連続先発出場中のアレックス・モーガンで間違いないと思われる。だがコンビを組むのは、前回決勝で調子を崩しスタメン落ちしたエイミー・ロドリゲスか、ロンドン五輪決勝で2得点したMFカーライ・ロイドを一列上げるか。さらにここ2戦スーパーサブとして存在感を増したアビー・ワンバックが出番を待ち、シドニー・ルルー、クリステン・プレスなど快足アタッカーもベンチから出場機会をうかがう。
立ち向かうことになるGK海堀あゆみは、「ここまで来たら勝つしかない。勝つために準備をして、あやも言ったけど23人の選手とスタッフ全員で優勝を勝ち取りたいと思います」と抱負を述べた。