“代表コーチ”としてW杯の舞台に帰ってくる元選手たち [写真]=Getty Images
日本代表は12日、国際親善試合でパラグアイ代表と対戦し、4-2で勝利した。西野ジャパン初白星となるなか、先月コロンビア代表のアシスタントコーチに就任した元アルゼンチン代表MFエステバン・カンビアッソ氏が視察に訪れていたことが話題となっている。
ガンビアッソ氏は現役時代、2006年ドイツW杯に出場。2004年から10年間にわたってプレーしたインテルでは、日本代表DF長友佑都の同僚でもあった。同氏のように、各国代表チームには、かつて世界中のサッカーファンを魅了したレジェンドがスタッフとして入閣しているケースが少なくない。そこで今回は、“代表コーチ”としてW杯の舞台に帰ってくる元選手を9名紹介する。
■パブロ・アイマール(アルゼンチン代表アシスタントコーチ)
1979年11月3日生まれ(38歳) 元アルゼンチン代表MF
小柄ながら、華麗なテクニックと愛くるしいマスクで日本のサッカーファンにも高い人気を誇ったアイマール氏。現役時代には、2002年の日韓大会、2006年のドイツ大会と、W杯2大会連続出場を果たした。昨年7月にアルゼンチンのU-17代表監督に就任すると、ロシアW杯に臨むA代表にアシスタントコーチとして帯同することが決定。初の世界制覇を狙うリオネル・メッシにとっても、自身のアイドルである“先輩”の入閣は心強いはずだ。
■ミロスラフ・クローゼ(ドイツ代表コーチ)
1978年6月9日生まれ(40歳) 元ドイツ代表FW
現役時代には4度のW杯出場を果たし、歴代最多の16ゴールを叩き出したクローゼ氏。前回大会の優勝メンバーである同氏は、2016年秋の現役引退発表と同時にドイツ代表のコーチングスタッフ入り。ロシア大会では、連覇を狙う母国を裏方として支えることになった。今回のチームには共にプレーした選手も多く、監督と選手の橋渡し役となることも期待されている。
■ティエリ・アンリ(ベルギー代表アシスタントコーチ)
1977年8月17日(40歳) 元フランス代表FW
フランスで開催された1998年W杯の優勝メンバーの一人であり、母国の歴代最多得点記録を保持するアンリ氏。2016年8月にベルギー代表のアシスタントコーチに電撃就任すると、解説業を続けながらチーム強化に尽力してきた。同国代表を率いるロベルト・マルティネス監督は「アンリが勝者のメンタリティをもたらしてくれた」とレジェンド入閣の効果を語っており、ロシアW杯では上位進出の影のキーマンとなりそうだ。
■ヨン・ダール・トマソン(デンマーク代表コーチ)
1976年8月29日生まれ(41歳) 元デンマーク代表FW
デンマーク代表として、同代表歴代2位の112試合に出場し、歴代1位タイの52得点を記録したトマソン氏。2016年3月にアシスタントコーチとして代表復帰を果たすと、ブラジルW杯とユーロ2016の出場権を立て続けに逃したチームの再建に取り組み、プレーオフ経由とはいえ、見事ロシア行きの切符を勝ち取った。選手としての代表ラストゲームは、2010年南アフリカW杯のグループステージ最終戦となった日本戦。その時以来となるW杯の舞台を楽しみにしているはずだ。
■イヴィツァ・オリッチ(クロアチア代表アシスタントコーチ)
1979年9月14日生まれ(38歳) 元クロアチア代表FW
現役時代にはバイエルンなどで活躍し、クロアチア代表としても3度のW杯出場を果たしたオリッチ氏。2016年夏に引退を発表すると、翌年10月に同代表のアシスタントコーチに就任した。クローゼ氏と同じようにブラジルW杯に出場しており、現チームには顔なじみも多い。今回は選手としてピッチに立つ機会はないが、常に全身全霊のプレーを見せてきた現役時代と変わらぬ献身性でチームを支えるはずだ。
■マルク・ファン・ボメル(オーストラリア代表アシスタントコーチ)
1977年8月22日生まれ(41歳) 元オランダ代表MF
現役時代にはオランダ代表の中心選手として活躍し、2010年の南アフリカ大会では準優勝を経験したファン・ボメル氏。今回のアジア予選では、同胞のベルト・ファン・マルヴァイク監督の右腕としてサウジアラビア代表をロシアW杯出場に導いたが、予選終了後に解任された。その後、同監督がオーストラリア代表指揮官に就任したのを契機に渡豪。妻アンドラさんの父にあたる同監督を再びサポートする。
■クラウディオ・タファレル(ブラジル代表GKコーチ)
1966年5月8日生まれ(52歳) 元ブラジル代表GK
セレソンの正GKとして、1990年イタリア大会からW杯3大会連続出場。そのうち、1994年アメリカW杯で優勝、1998年フランス大会では準優勝を経験するなど、申し分ない実績を誇るタファレル氏。ブラジルW杯終了後に就任したドゥンガ新監督のもと代表のGKコーチを任されると、チッチ新体制発足後もチームに留まり、後輩たちを指導している。ガラタサライのGKコーチも務めており、今年2月には加入間もない日本代表DF長友の“運転手”を務めたとして話題になった。
■キム・ナミル(韓国代表コーチ)
1977年3月14日生まれ(41歳) 元韓国代表MF
現役時代にはヴィッセル神戸や京都サンガF.C.でもプレーし、2002年の日韓大会では主力としてベスト4進出に貢献したキム・ナミル氏。2015年の現役引退後は、元韓国代表FWチェ・ヨンス氏が率いる中国の江蘇蘇寧で短期間コーチを務めると、昨年7月に韓国代表監督に就任したシン・テヨン氏からチームスタッフに大抜擢された。主にMFの選手たちの指導を担当しているという。
■チャ・ドゥリ(韓国代表コーチ)
1980年7月24日生まれ(37歳) 元韓国代表DF
日韓大会のほか、2010年の南アフリカW杯にも出場したチャ・ドゥリ氏もまた、韓国代表のコーチングスタッフの一人。ウリ・シュティーリケ前体制下ではデータアナリアストを務めながら、昨年春に辞任。その後、指導者ライセンス取得のためドイツに滞在していたが、シン・テヨン新監督からの熱烈なラブコールを受けて、代表スタッフへの復帰を果たした。豊富な国際経験はチームの助けになるはずだ。
(記事/Footmedia)
By Footmedia