共にバルセロナでプレーする(左)コウチーニョと(右)パウリーニョ [写真]=Getty Images
2018 FIFAワールドカップ ロシア(W杯)は大会14日目の27日、ドイツ代表がよもやのグループステージ敗退を喫する中、ブラジル代表は順当に決勝トーナメントに駒を進めた。
優勝候補の双璧と目された欧州と南米の雄の明暗がくっきりと分かれたこの日、セルビア代表を2-0で完封し、2勝1分としてグループEを首位通過したブラジル。ライバルを攻めあぐねるチームに先制点をもたらしたのは、MFフィリペ・コウチーニョとMFパウリーニョの“バルサ・コンビ”だった。
両チーム無得点で迎えた36分、自陣でボールを受けたコウチーニョがゆっくり敵陣へと進むと、中盤にいたパウリーニョが突如前線へとスプリントを開始する。これに合わせたコウチーニョが柔らかいループのパスを送ると、相手DFの間を割って入ったパウリーニョが慌てて飛び出すGKより一瞬先にボールにタッチ。浮き球のシュートが無人のゴールに飛び込んだ。
ブラジルに貴重なゴールをもたらしたのがバルセロナに所属するコウチーニョとパウリーニョとあり、同クラブ寄りのスペイン紙は両選手のパフォーマンスを称賛。『スポルト』が「コウチーニョとパウリーニョがブラジルを牽引」と見出しを掲げれば、『ムンド・デポルティーボ』も「“ブラウグラナ”(バルセロナの愛称)のホットラインで、ブラジルがセルビアを撃破」と題打っている。
さらに、両選手のパフォーマンスを掘り下げた『スポルト』は、コウチーニョの攻撃面における重要性を強調した。
「今大会のブラジルの手綱を握っているのはコウチーニョだ。引き分けたスイス戦でも勝利したコスタリカ戦でもゴールを挙げたバルセロナのアタッカーは、この日もブラジルを照らす灯台の役目を果たした。キックオフから非常に活発なプレーを見せ、チームの攻撃を輝かせた。」
同紙はまた、パウリーニョの攻守両面における貢献にも高い評価を与えている。
「パウリーニョはチッチ監督の忠実な従者だ。守備面においても攻撃面においてもチームに重厚さをもたらしている。この日も中盤における縦横無尽の動きで、セルビアの攻撃陣に困難をもたらし、守備陣には脅威を与えた。そのうえ、先制点を決めて勝利の道を開いた」
この日のブラジルは、大会前に故障から復帰したエースのFWネイマールも、これまでの2試合を上回る切れ味のプレーを披露。自身のゴールはなかったものの、CKからDFチアゴ・シウヴァのゴールをアシストした。状態の良さが目立つコウチーニョおよびパウリーニョに完全復調が近付くネイマールと、新旧バルサ組が決勝トーナメントでもブラジルを引っ張って行くことになりそうだ。
文=北村敦