FOLLOW US

W杯3位の欧州チームに不吉なジンクス…2年後のユーロ本大会出場率は約3割

2018.07.14

3位決定戦で対戦するベルギーとイングランド [写真]=Getty Images

 2018 FIFAワールドカップ ロシアは14日に3位決定戦が行われる。“銅メダル”を賭けて戦うのは、ベルギー代表イングランド代表。両チームは今大会のグループステージで対戦し、6月28日に行われた一戦ではベルギーが1-0の勝利を挙げた。

 一部では不要論もささやかれる3位決定戦だが、ベルギーのロベルト・マルティネス監督が「W杯を3位で終えるのは何度もあるようなことではない」と話すように、単なる“消化試合”で終わる可能性は低い。実際、ベルギーは勝てば、1986年大会の4位を上回る最高成績となる。1966年大会で優勝を飾ったイングランドにしても、W杯の3位はこれまで一度も経験がない。「史上最高」か「史上初」か。フィナーレを勝利で飾りたい両チームによる熱戦が繰り広げられることだろう。

 もっとも、欧州の代表チームがW杯を3位で終えた場合には、ある不吉なジンクスが存在する。それが、「W杯3位に入った欧州チームは、2年後に行われるユーロ本大会の出場率が非常に低い」というものだ。以下、過去の結果を並べてみる。

■W杯3位に入った欧州チームの2年後のユーロの結果
※ユーロの第1回大会は1960年に開催

1958年W杯の3位:フランス
→ユーロ1960の結果:出場(4位)

*1962年W杯の3位:チリ
→UEFA管轄外

1966年W杯の3位:ポルトガル
→ユーロ1968の結果:不出場(予選敗退)

1970年W杯の3位:西ドイツ
→ユーロ1972の結果:出場(優勝)

1974年W杯の3位:ポーランド
→ユーロ1976の結果:不出場(予選敗退)

*1978年W杯3位:ブラジル
→UEFA管轄外

1982年W杯の3位:ポーランド
→ユーロ1984の結果:不出場(予選敗退)

1986年W杯の3位:フランス
→ユーロ1988の結果:不出場(予選敗退)

1990年W杯の3位:イタリア
→ユーロ1992の結果:不出場(予選敗退)

1994年W杯の3位:スウェーデン
→ユーロ1996の結果:不出場(予選敗退)

1998年W杯の3位:クロアチア
→ユーロ2000の結果:不出場(予選敗退)

2002年W杯の3位:トルコ
→ユーロ2004の結果:不出場(予選敗退)

2006年W杯の3位:ドイツ
→ユーロ2008の結果:出場(準優勝)

2010年W杯の3位:ドイツ
→ユーロ2012の結果:出場(ベスト4)
*3位決定戦は開催されず

2014年W杯の3位:オランダ
→ユーロ2016の結果:不出場(予選敗退)

 上記のとおり、W杯で3位に輝いた欧州チームは1958年大会以降13チームあるのだが、そのうち2年後のユーロで本大会出場を果たしたのは4チームしか存在しない。確率にして31%という非常に低い数字になる。

 前回のブラジルW杯ではオランダが3位に入ったが、2年後のユーロ2016では予選敗退となった。ユーロ2016からは、本大会の出場枠が16カ国から24カ国に拡大されたが、オランダもまたこのジンクスの犠牲者となった。

 一方、W杯3位の欧州チームが2年後のユーロ本大会に出場した場合には、必ずベスト4以上の成績を残しているという興味深い現象もみられる。過去4回のケースのうち3回は、ドイツ(西ドイツ)が成し遂げたものだった。彼らにとって、W杯3位はその後の成功を保証するものであるようだ。

 ベルギーは“黄金世代”と呼ばれ、イングランドも新世代が次々に台頭。この先1、2年で、チーム力が急に低下するとは考えにくいが、2年後のユーロを見据えると、W杯を3位で終えることが必ずしも“成功”というわけではなさそうだ。

 果てして、この数奇なめぐり合わせは今後も続くことになるのか。3位決定戦の勝者については、この先の動向にも注目してみると面白いかもしれない。

(記事/Footmedia

By Footmedia

「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

SHARE

SOCCERKING VIDEO