W杯の得点王候補に挙げられる選手たち [写真]=Getty Images
今冬にカタールで開催されるワールドカップでは、大会得点王の記録が塗り替えられるかにも注目が集まる。
1大会の最多ゴール記録は、1958年大会にゴールを量産したフランス代表のジュスト・フォンテーヌで13ゴールだ。フォンテーヌは2度のハットトリックを達成するなど全6試合でゴールを決めてチームの3位に貢献した。この13ゴールを抜くのは難しいように感じるが、それでも今年の大会では新たな記録の誕生が期待される。
それが“2度目”の得点王である。もしイングランド代表のFWハリー・ケインが得点王に輝けば、史上初の2大会連続得点王という偉大な記録を打ち立てるのだ。4年に一度のフットボールの祭典では、2大会連続どころか、過去に得点王を2回受賞した選手がいないため、イングランドの主将は前人未到の記録に挑むことになる。ブックメーカー『bet365』の大会得点王オッズを見ると、ケインは「8倍」で最有力候補となっており、イングランドが順調に勝ち上がっていけば記録樹立に期待が持てる。
無論、その他にも得点王に輝く可能性を秘めるアタッカーはたくさんいる。それではオッズと共に各国の「得点王候補」を見てみよう。意外な選手も上位にランクインしているかも。
[写真]=Getty Images
■イングランド
『bet365』のオッズによると、最有力のケインに次ぐイングランド人は、ラヒーム・スターリングの「21倍」で、全体で見ると7位タイにつけている。前回のロシア大会では無得点に終わったウィンガーだが、昨年のEURO 2020ではケインに次ぐ3ゴールを決めてイングランドの準優勝に貢献した。
1966年以来の優勝を目指すイングランドで、得点王候補の3番手につけるのは意外なアタッカーだ。それがマンチェスター・Cの21歳の逸材、MFフィル・フォーデンだ。2020年9月にA代表デビューを果たしたフォーデンは、これまで代表14試合でわずかに2ゴール。しかし、所属のシティでは偽9番を任せられるなど、2シーズン連続で公式戦2桁ゴールを決めている。そのため自身初のワールドカップでは、得点王オッズの12位タイ(34倍)に挙げられている。
■フランス
得点王オッズでケインに次いで全体の2番手につけるのはフランスの至宝、23歳のキリアン・エンバペで「9倍」だ。フランス代表の若きエースは前回大会で得点ランク2位の4ゴールを決めて母国を20年ぶりの世界王者に導き、大会の若手最優秀選手にも選ばれた。昨夏のEURO 2020では無得点に終わっているが、フランスがW杯連覇を果たすとしたらエンバペの活躍が必須だろう。
そのフランスでは今季レアル・マドリードでゴールを量産中のFWカリム・ベンゼマ(34歳)も「15倍」で全体の4位タイにつけている。ベンゼマは今季レアルで公式戦37ゴールを叩き出して、既に自身のシーズンベストを更新している! そのフランスではアントワーヌ・グリーズマンも「34倍」で12位タイにつけている。
■ポルトガル
初優勝を目指すポルトガルでは、やはり37歳のクリスティアーノ・ロナウドに注目が集まる。5度のバロンドール受賞を誇るロナウドは、昨夏に復帰したマンチェスター・Uでもチーム最多の18ゴールを決めているほか、ポルトガル代表では通算115ゴール(186試合)で男子選手の代表戦最多ゴール記録を保持している。今回の得点王オッズでは「13倍」の3位につけている。
だが、ポルトガルはロナウドだけに頼る必要はない。9位タイ(26倍)には今季リヴァプールの主軸に定着しているディオゴ・ジョッタがいるし、17位タイ(41倍)にはライプツィヒのアンドレ・シウヴァもいる。また、北マケドニアとの欧州予選プレーオフ決勝で2得点を奪って母国をW杯に導いたMFブルーノ・フェルナンデス(マンチェスター・U)も、ミッドフィルダーながら34位タイ(51倍)につけている。
■南米
欧州選手以外で最有力は本大会時に35歳となっているアルゼンチン代表FWリオネル・メッシで、全体で見ると4位タイ(15倍)だ。メッシは2014年大会で4ゴールを決めて母国を準優勝に導き、ゴールデンボール(大会MVP)も受賞した。しかし、2010年大会は無得点に終わるなど、出場した過去4大会(19試合)で計6ゴールと少し物足りない。それでも今年の大会で4得点すればW杯で通算10ゴールとなり、ガブリエル・バティストゥータが持つアルゼンチン選手のW杯歴代最多ゴールに並べる。
アルゼンチンでは、今大会の南米予選でメッシと同じくチーム最多7ゴールを決めたFWラウタロ・マルティネスにも期待が寄せられる。インテルで活躍するアタッカーには「34倍」のオッズが付けられており、全体で見ると12位タイとなっている。
6度目の世界制覇を目指すサッカー王国のブラジルではパリ・サンジェルマンのFWネイマールが「21倍」の7位タイにつけるほか、レアル・マドリードのFWヴィニシウス・ジュニオールが「26倍」の9位タイ、マンチェスター・Cのガブリエウ・ジェズスが「34倍」で12位タイにつけている。やはりブラジルは豊富なタレントを誇っており、オッズの上位33名には最多6選手がランクインしている。
■アジア
アジア人で最も期待が寄せられているのは韓国代表の絶対的エースであるトッテナムのFWソン・フンミンだ。前回のロシア大会で2ゴールを決めている同ストライカーのオッズは「101倍」で全体で見ると58位タイ。ソン・フンミンは、これまでW杯通算3ゴールでパク・チソンやアン・ジョンファンの韓国代表記録に並んでいるため、今大会のゴールで単独1位に躍り出ることができる。
日本代表では、アジア予選でチーム最多の10ゴールを決めた南野拓実(リヴァプール)と大迫勇也(ヴィッセル神戸)が「151倍」の76位タイにつけている。大迫は前回大会でゴールを決めているが、南野は得点すれば日本人として史上15人目のW杯ゴールスコアラーとなる。ちなみに「151倍」のオッズはガーナのアイェウ兄弟(アンドレ&ジョルダン)と同じとなっている。
果たして年末のワールドカップでは誰がゴールを量産するのか? 今から得点王争いの行方が楽しみだ。
■W杯得点王オッズのトップ10 (『bet365』社)
1位 ハリー・ケイン(イングランド) 8倍
2位 キリアン・エンバペ(フランス) 9倍
3位 クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル) 13倍
4位 カリム・ベンゼマ(フランス) 15倍
4位 リオネル・メッシ(アルゼンチン) 15倍
6位 ロメル・ルカク(ベルギー) 17倍
7位 ネイマール(ブラジル) 21倍
7位 ラヒーム・スターリング(イングランド) 21倍
9位 ディオゴ・ジョッタ(ポルトガル) 26倍
9位 ヴィニシウス・ジュニオール(ブラジル) 26倍
9位 メンフィス・デパイ(オランダ) 26倍
(記事/Footmedia)
By Footmedia