FIFAワールドカップカタール2022欧州予選プレーオフ・パスAの決勝が5日に行われ、ウェールズ代表とウクライナ代表がウェールズのカーディフで対戦した。
本来は今年3月に開催予定だったプレーオフだが、ロシアのウクライナ侵攻により代表活動が困難となったことで、パスAの準決勝スコットランドvsウクライナ、およびパスA決勝(同試合の勝者vsウェールズ代表)が6月に延期。そして1日に行われた準決勝を3-1で制したウクライナがウェールズの待ち受ける決勝に駒を進めた。
ワールドカップ出場権を獲得するためには両国にとって負けられない一戦。先にゴールへと迫ったのはウクライナだった。3分にゴール正面の位置でFKを獲得すると、壁を作っている最中にオレクサンドル・ジンチェンコが素早いリスタートでゴールネットを揺らしたが、時計の針が止まっていたとしてノーゴールの判定に。
その後はホームのウェールズが攻勢に出る時間が続いたが、ウクライナもビクトル・ツィガンコフの左足や裏をとったロマン・ヤレムチュクがゴールに迫って応戦。しかし、ウェールズの守護神であるGKウェイン・ヘネシーの牙城を崩すことはできない。以降はお互いに主導権を握る時間帯があり、一進一退の攻防が続いたが、フィニッシュまで持ち込む回数はウクライナが多かった。
30分、オレクサンドル・ジンチェンコがボックス右から左足でシュートもGKがセーブ。31分には右サイドでボール持ったオレクサンドル・カラバエフが中央のヤレムチュクにくさびのパスを入れると、ヤレムチュクのポストプレーからボックス右のスペースにツィガンコフが走り込んだが、一瞬早くボールに触れたGKヘネシーのクリアに遭う。
すると34分、意外な形で先制点が生まれる。ウェールズがゴール正面やや左の位置でFKを獲得。キッカーのベイルが左足でゴール前に無回転のボールを送ると、アンドリー・ヤルモレンコが頭でクリアしようとしたボールが無情にもそのままゴールへ。ウェールズがオウンゴールにより試合の均衡を破った。
結局、前半はウェールズが1点をリードして終了。迎えた後半は時間の経過と共に攻め込むウクライナと、守りを固めつつカウンターで好機を窺うウェールズという構図になっていく。
ウェールズは49分、左サイドでのボール奪取からダニエル・ジェームズが持ち上がり、パスを受けたキーファー・ムーアがボックス左に侵入して中央のアーロン・ラムジーにマイナスのパス。ラムジーは右足のインサイドでゴール右を狙ったがボールは枠を外れてしまった。
何としても追いつきたいウクライナは55分、ヴィタリー・ミコレンコのセンタリングにツィガンコフがゴール前で合わせるが、GKヘネシーが反応。さらにこぼれ球にヤレムチュクが足を伸ばしたがボールは枠を外れた。66分にはルスラン・マリノフスキーがミドルレンジからゴールを狙ったが、枠を捉えきれない。
ウクライナは70分、マリノフスキーとアンカーのタラス・ステパネンコに代えて、ミコラ・シャパレンコとセルギー・シドルチュクを投入。一方のウェールズもジェームズに代えてブレナン・ジョンソンをピッチに送り出した。この交代からチャンスを作り出したのはウェールズ。75分、右サイドの深い位置からコナー・ロバーツがクロスをあげると、ファーサイドのジョンソンが右足で合わせたシュートは左ポストを直撃。その直後には左サイドからジョンソンがカットインし、ボックス左でパスを受けたラムジーがボックス右へ浮き球のパスを送り、フリーのベイルが左足で合わせたが、GKの正面を突いてしまう。
対するウクライナは、さらにアルテム・ドフビクとムィハーイロ・ムドリクを投入。77分には、ゴール前でドフビクの落としからヤルモレンコがゴールを狙うもDFの身を挺したブロックに遭う。83分には、左サイドからミコレンコが上げたクロスにドフビクが頭で合わせたが、またしてもGKヘネシーの好セーブにゴールを阻まれた。
ウクライナは最後まで果敢にゴールを奪いにかかったが、最後までGKヘネシーの壁を突破できずに試合は終了。オウンゴールによって得たリードを守り切ったウェールズが、1958年大会以来となる64年ぶり2度目となるW杯出場を決めた。
【得点者】
1-0 34分 オウンゴール(ウェールズ代表)
By サッカーキング編集部
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