FIFAのインファンティーノ会長(写真は2020年6月のもの) [写真]=Getty Images
国際サッカー連盟(FIFA)は14日、FIFA女子ワールドカップ2023オーストラリア&ニュージーランドの権利に関して欧州放送連合(EBU)と延長で合意したことを発表した。
イギリスメディア『スカイスポーツ』によると、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長が、男子のW杯では1〜2億ドル(約1400〜2800億円)が提示されていたのに対し、女子のW杯では100〜1000万ドル(約1〜14億円)の放映権料しか提示されていなかったことから放送局を批判。これに伴い、今年7月20日に女子W杯の開幕を迎えるなか、イギリスやフランス、ドイツ、イタリア、スペインを含め、多くの国で放送局が決まらない事態となっていた。
しかし、今回の発表によると、FIFAはFIFA女子ワールドカップ2023の権利を巡ってEBUと合意。これにより、同大会は主要地域を含む、ヨーロッパ34カ国で放送されることとなった。なお、EBUとは少なくとも週に1時間は女子サッカーに関する番組を作成することでも合意し、大きなプロモーションの機会になることを明らかにしている。
インファンティーノ会長は公式サイトを通じ、「FIFAは来たるFIFA女子ワールドカップの放送に関して欧州放送連合との契約を拡大し、既存のネットワーク内の5つの主要市場であるフランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリスを含め、ウクライナでも同様に大会の露出を最大限に確保することができた」と声明を発表し、次のように続けた。
「この合意の一環としてEBUは独自のデジタルプラットフォームと放送ネットワークの中で女子サッカーに特化した番組を毎週少なくとも1時間放送することを約束した。これは女子サッカーの宣伝と露出を増やす機会を提供するものであり、長期的な発展に取り組んでいる私たちにとっての優先事項でもある」
なお、日本サッカー協会の田嶋幸三会長は先日、「今までFIFAや各国のコンソーシアムや各国のテレビ局が交渉して決めてきたことで、そこに日本サッカー協会は関わったことがありません」ということを強調しながら、「放映権が日本の市場価値と、まだ結びついていないために放映する局が決まっていないということ、放映されるかわからないというところについては、本当に大きな懸念を抱いています」と日本で放送されるかは未定であることを明かしていた。
そして、「FIFAとテレビ局がやっているけれど、進捗状況としては動いていないと言っていました。聞いているのは、まだ決まらないということ。つまり、隔たりがあるということだと思います」と危機感を露わにしながら、「W杯までに解決していただき、テレビを多くの国民の皆さんが見て、なでしこジャパンを応援していただけることを望んでいますし、我々にできることがあるとすれば何なのか、そのことも含めて考えていきたいと思います」と問題解決に期待を寄せたコメントをしていたが、依然としてFIFA女子ワールドカップ2023オーストラリア&ニュージーランドが日本で放送されるかは不透明となっている。
By サッカーキング編集部
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