藤野を中心に喜びの輪 [写真]=Getty Images
FIFA女子ワールドカップオーストラリア&ニュージーランド2023グループC第2節が26日に行われ、なでしこジャパン(日本女子代表)はコスタリカ女子代表と対戦し、2-0で勝利。2連勝で決勝トーナメント進出を決めた。
27分に右サイドの仕掛けから、角度のない位置で強烈なシュートを決めてチーム2得点目を挙げた藤野あおばは試合後、「今日は絶対決めようと思っていましたし、それがうまく結果に繋がってよかったです」と喜び。
先発2試合目で大会初ゴールとなり、10代のワールドカップでのゴールは男女通じて日本代表初となった。「歴史に名を刻むことも大切です。でも、チームが勝つことが一番大切なので。その中でゴールを決める役割を任されている立場として、決めるところは毎試合こだわってやっていました。長い時間、出場させてもらっていて、結果を出すことははすごく大事だと思ってます。U-20ワールドカップのときも、なかなか得点に関わる機会もなく、自分自身にちょっと焦っていたところもあったので。(結果にこだわるところは)この数年間の自分の変化だと思っているので、今大会、もっと得点を積み重ねられるよう頑張りたいと思います」と、さらなるゴールへの意欲を示している。
藤野自身は2022年10月のA代表初出場から1年足らずでワールドカップの舞台に立って、得点という結果を出したが、「最初は高いレベルでプレーできることがすごく嬉しくて、一人のサッカー選手として、その環境を楽しんでいたところから、より日本を代表する選手としての覚悟や責任が芽生え始めた中で、すぐ海外の選手と戦えていることがすごく嬉しいです」と高いレベルで戦える喜びを感じつつ、「でも、ここがゴールではなくて、世界一を取るためにやってきたので、今が嬉しくて楽しくても、結果に結び付かなければ、悔し涙で終わるだけだと思っています。今までやってきたものをしっかり実らせるためにも、結果をつかみ取ることが必要だと思ってますし、まだまだ完璧なチームでも、自分でもないので、大会通してステップアップしながら、よりその完璧さに近づいていけるように練習を積み重ねてやっていきたいと思います」と殊勝に続けた。
第3節の対戦相手はスペイン。世代別の大会とはいえ、藤野が出場していた2022 FIFA U-20女子ワールドカップの決勝で敗れた国でもある。「絶対に勝ち切りたい相手」と断言すると、「出し惜しみせずに積極的に戦っていけると思うので、相手の勢いに圧倒されずに自分の良さを出していく、それが一番大事だと思っています」と、全力を尽くす覚悟だ。
By 小松春生
Web『サッカーキング』編集長