昨季は規則違反で2部降格となったポルトゲーザ [写真]=LatinContent/Getty Images
“催眠術”はクラブチームを救うのか。ブラジル国内のとあるクラブチームが珍しい試みに打って出たことが話題をさらっている。サンパウロ州の名門ポルトゲーザが、降格を回避すべく催眠術師を雇っていることが明らかになった。 インドのテレビ局『NDTV』などが報じた。
「ルーザ」などの愛称で親しまれているポルトゲーザは1920年創立の名門。かつては岡耕太郎、檜垣裕志など日本人選手が所属していたこともあるクラブチームで、2014年10月現在ジェフユナイテッド千葉で9番を付けているブラジル人FWケンペスの古巣でもある。
そのポルトゲーザは昨年のブラジレイロン・セリエA(ブラジル全国選手権1部)で、規則違反による勝ち点剥奪によりセリエBへ降格。そして落ちたセリエBでも奮わず、第27節終了時点で20チーム中19位と低迷している。ブラジレイロン・セリエBの17位以下は自動的にセリエC(3部)へ降格することになっており、昨年トップリーグにいたポルトゲーザにとって“3部落ち”は死活問題だ。
そこでチームを率いるバギネル・ベナッズィ監督は、他のクラブチームで催眠術の成功を聞きつけ催眠術師を招聘したという。催眠術師を招聘するアイデアはクラブの取締役会で生まれたもので、チームの状況を「限界」と捉えているベナッズィ監督がそれを受け入れたという。
該当の催眠術師とされるオリマール・テゼール氏は、プロリーグの元守護神でサンパウロ州のクラブチームを渡り歩いた実績も有する。同氏はクラブチームを救うほどの催眠術を有しているのか。
ベナッズィ監督は「背に腹はかえられない。催眠術をも使わなければならないくらい、我々は“限界”に来ているのだから」と述べている。ポルトゲーザが最後に勝ったのは第19節の「ビラ・ノーバ戦」で、8試合未勝利とチーム状態は悪い。残留のボーダーラインである16位パラナーとも勝ち点差が12も開いており、残留への望みが低い中で残りのシーズンを戦い抜かなければならない。
勝ち点差12は催眠術が埋めうるビハインドなのか。残された試合数は11。もしもポルトゲーザが2部残留を達成した暁には、ブラジルで残留争いを強いられるクラブチームの間に催眠術ブームが到来するかもしれない。
(記事/Cartao Amarelo)