ファンの野次に怒り、グローブを外してしまったデミレル(左) [写真]=Anadolu Agency/Getty Images
ユーロ2016予選が16日に行われ、グループAのトルコ代表はホームでカザフスタン代表と対戦し、3-1で勝利した。同試合前の練習で、フェネルバフチェに所属するGKヴォルカン・デミレルが、味方であるはずのトルコ・サポーターから罵声を浴びた末に、試合の出場を拒否していたことが明らかになった。17日付のイギリス紙『デイリー・メール』が報じている。
12日に行われた国際親善試合のブラジル代表戦にも先発出場していたデミレルは、カザフスタン戦でも先発出場が予想されていた。しかし同試合が行われたテュルク・テレコム・アレナは、デミレルが所属するフェネルバフチェのライバル、ガラタサライの本拠地であった。スタジアムに詰めかけたガラタサライのファンは、試合前の練習に臨むデミレルに向けて罵声を浴びせ続けた。
当初は冷静にトレーニングを続けていたデミレルだったが、野次はどんどんエスカレートしていく。同選手はファンに向け、口の前に人差し指を置き、静かにするよう求め、練習に戻ろうとした。しかし、振り返った直後に再び野次が飛んでくると、デミレルの我慢も限界に達し、監督に向けて「先発メンバーを変えてくれ」とジェスチャーで伝える。さらにキーパーグローブを外し、GKコーチに不満を漏らしながらロッカールームへ戻ってしまった。
結局この試合では、イスタンブールBB所属のGKヴォルカン・ババジャンが正キーパーを務め、デミレルは試合前にスタジアムを後にしている。正GKを固定できていないトルコ代表にとって、同国で一番の実力者と称されるデミレルの出場拒否は、大きな損失となるかもしれない。