ザンクト・パウリ時代のシェンク [写真]=Bongarts/Getty Images
スコットランドで悲劇のデビュー戦を飾ったドイツ人GKアルヴィド・シェンクが、クラブとの契約を解除されていたことが明らかになった。30日付けのイタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が報じている。
現在25歳のシェンクは、ハンザ・ロストックの下部組織を経て、同クラブのBチームでプロデビューを果たす。その後ザンクト・パウリのBチーム、ヴォルフスブルクのBチームなどでプレーするが、これまでトップリーグでの出場機会は無かった。
2014年10月、シェンクはスコティッシュ・プレミアリーグ(スコットランド1部)のダンディーFCとの契約を勝ち取り、トップリーグ出場のチャンスを手にした。シェンクは11月の第12節のキルマーノック戦で初めてベンチ入り。しかしその後も出場機会を得るまでにはいたらず、約2カ月半が過ぎていた。
転機が訪れたのは第18節のセント・ミレン戦。この試合で3失点したGKカイル・レザーンに対し、チームを率いるポール・ハートリー監督は不満を抱く。そして次の試合でシェンクに待望のチャンスが巡ってきた。
2015年1月1日、新年初戦の相手は同じダンディーに本拠地を構えるダンディー・ユナイテッド。宿敵との大一番にゴールマウスを任されたのはシェンクだった。そしてこの試合がシェンクにとって記念すべきトップリーグデビュー戦となるはずだった。
しかし現実は残酷なもので、開始からわずか35秒、相手のボレーシュートがディフェンスに当たり少し変化すると、196センチの巨体をほこるシェンクは反応することが出来なかった。24分にはチームに同点ゴールが生まれ、シェンクも落ち着きを取り戻すと思われたが、その後はクロスボールが直接決まるなど前半だけで4失点。後半も2失点を喫し、ダービーマッチで6失点を許してしまった。
次の試合からはGKスコット・ベインが正守護神となり、シェンクは24日のセント・ミレン戦でついにベンチからも外され、28日に契約解消が発表された。現在シェンクは、次なる所属クラブを探していると伝えられている。