逃げ切りに失敗したアルゼンチン [写真]=LatinContent/Getty Images
11日からチリで開催されている国際大会「コパ・アメリカ2015」。グループB第1節が13日にラ・セレナで行われ、アルゼンチン代表とパラグアイ代表が対戦した。
序盤から自分たちのリズムで攻め続けて主導権を掌握したアルゼンチンは、14分にアンヘル・ディ・マリアがコーナーキックから直接ゴールを脅かすと、18分にはハビエル・マスチェラーノがミドルシュート。すると29分にミゲル・サムディオの不用意なバックパスをセルヒオ・アグエロがインターセプトして、キーパーをかわすと無人のゴールにボールを流し込んだ。さらに36分にはディ・マリアがペナルティエリア内で倒されて得たPKをリオネル・メッシが冷静に決めて、アルゼンチンが2点をリードした。
パラグアイは立ち上がりから自陣での試合運びを強いられ、守備に追われる時間帯が自ずと増えていった。
エンドが替わった後半も、アルゼンチンは自分たちのペースでゲームを作っていく。一方パラグアイは60分にロングフィードからチャンスを迎えたが、ロケ・サンタクルスが右足で放ったシュートはキーパーに止められてしまう。それでも立て直すと、その1分後にネルソン・バルデスがミドルレンジで右足を振り抜き、ゴールネットに突き刺して1点を返した。
その後も主導権はアルゼンチンにあったが、何度も決定機を作りながら3点目が取れない。対するパラグアイは、71分に右へ開いたデルリス・ゴンサレスがグラウンダーのクロスを上げると、N・バルデスが右足のヒールで合わせた。ボールはゴールポストをかすめてピッチの外へと流れてしまったが、パラグアイは劣勢にも関わらず可能性を感じさせる攻撃を披露していた。
ヘラルド・マルティーノ監督はゴンサロ・イグアインとカルロス・テベスを投入して4トップに変更。しかし試合の流れを変えたとはいえず、パラグアイが攻め込む時間を増やしていった。
パラグアイの執念が実ったのは89分。ネストル・オルティゴサのフリーキックをパウロ・ダ・シルバがヘディングで後方に落とすと、ルーカス・バリオスが左足で低く抑えたシュートをゴールネットに突き刺した。
このまま試合は終了し、土壇場で追いついたパラグアイが2-2の引き分けに持ち込んだ。パラグアイのボール支配率は31%と最後まで主導権を握れなかったが、それでも引き分けに持ち込んだしぶとさは称賛に値する。一方3点目を取るチャンスを再三作りながら勝利を逃したアルゼンチンは、守備の脆さを露呈した格好。“タタ”マルティーノ監督はこの課題を早急に修正できるのか。
(記事/Cartao Amarelo)
【得点者】
1-0 29分 セルヒオ・アグエロ(アルゼンチン代表)
2-0 36分 リオネル・メッシ(アルゼンチン代表)
2-1 60分 ネルソン・バルデス(パラグアイ代表)
2-2 89分 ルーカス・バリオス(パラグアイ代表)