左からベロン、アイマール、ゾラ [写真]=Getty Images
先日、元日本代表FW中山雅史のアスルクラロ沼津加入と共に、故郷でプレーするベテランの選手達を特集した。
今回は、現役ではなく、最後に故郷で華を咲かせて引退していった名プレーヤーを少しだけ見てみよう。
■フアン・セバスティアン・ベロン
ラツィオ、マンチェスター・U、インテルでリーグ優勝を経験し、中盤の深い位置からゲームメイクした。アルゼンチンのサッカー選手は、現役時代の晩年を故郷でプレーするケースが少なくない。マティアス・アルメイダ、マルセロ・ガジャルド…少し振り返るだけでさまざまな名前がでてくる。だが、1度は終わったというレッテルを貼られながら再度輝きを見せたという点ではベロンは随一であろう。
2006年にエストゥディアンテスへ加入すると、同年のアペルトゥーラ(前期リーグ)で優勝、2009年にはコパ・リベルタドーレスを制し同年のクラブワールドカップにも出場した。同大会ではバルセロナの前に準優勝に終わったが、2008、2009と2年連続で南米年間最優秀選手賞に輝いている。その後、2014年まで現役を続けた。
■ニック・バーンビー
トッテナムの下部組織出身で、エヴァートン、リヴァプールなどで活躍した。イングランド代表23キャップを持つ。2004年に当時3部相当のリーグ1にいたハルへ加入するとチームはチャンピオンシップ、プレミアリーグと2回の昇格を経験した。
上述のようにトッテナムの下部組織あがりだが、生まれはハル。2008年にハルでプレミアリーグのゴールを決めたことにより異なる6チームでプレミアリーグのゴールを決めた選手となった。この記録は当時5人しか達成していない。また、2011年には選手権暫定監督に就任、そのままシーズン中に現役を引退し監督専任となったが、シーズン後に退団している。
■アンドレアス・メラー
「ターボ」のニックネームで知られ、ドルトムントの司令塔として活躍した元ドイツ代表MF。2度のブンデスリーガ優勝、1997年のチャンピオンズリーグ優勝を経験している。
そんなメラーだが、実はフランクフルト生まれでプロキャリアのスタートもフランクフルトから。現役時代は、同クラブに3度在籍しており、最後の場所となったのもフランクフルト。2003年にチームへ復帰すると出場機会は多くなく同シーズン限りで引退したが、チームに与えた影響は非常に大きいものだった。
■ファブリツィオ・ラヴァネッリ
「シルバーフォックス」の愛称で知られ、その名の通り白い髪を持つストライカー。ユヴェントスで活躍したほか、フランス、イングランド、スコットランドでもプレー経験がある。
ペルージャの下部組織出身で2004-05シーズンに復帰し、UEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)、セリエA出場を果たした。
ゴールも勿論だが、献身的な姿勢、泥臭いプレーなど気持ちを前面に押し出したプレーヤーで、ペルージャでは意外にも主にトップ下でプレーした。ゴール後には涙を見せる一幕もあったのだが、チームは残留を決めることはできなかった。
「サルディーニャの魔法使い」の愛称で知られた稀代のファンタジスタの1人。プレミアリーグで活躍した数少ないイタリア人で、(後に誤解であることがわかったが)「PKよりフリーキックのほうが簡単」という発言でも知られていた。チェルシーで活躍後、2003年夏にカリアリへ復帰。1シーズンでチームをセリエAに昇格させ現役生活最後を飾った。
故郷サルディーニャ島生まれだが、ユース年代はコッラージ・オリエーナ、トップチーム・デビューはヌオレーゼでありカリアリでのプレーは初のことだった。2014-15シーズン途中にはカリアリの監督に就任した。
リーベル・プレートでデビューしすぐに注目された天才MF。アルゼンチン代表として2002、2006年のワールドカップに出場、やはり、バレンシア、サラゴサ、ベンフィカでプレーしたイメージが強いだろうか。
特にバレンシア時代は近代的なファンタジスタ像の先駆けとして、甘いマスクも相まって世界的な選手として注目された。
2013年にマレーシアへ移籍し短期間チームに在籍した後、今シーズン、ハビエル・サビオラ、ルイス・ゴンサレスと共にリーベル・プレートへ復帰した。しかし、ベテランが一斉にチームに帰ってきたことでアルゼンチン国内では大きな話題となっていたが、7月に現役引退を決断。最後にリーベル・プレートでプレーしたのは僅か1試合、17分のことだった。
欧州は地続きであり、サッカー選手は毎週のように海外へ遠征をしている。また、中東やアメリカ、オーストラリアなどでキャリアの晩年を過ごすことが増えている。
それでも、元オランダ代表MFラファエル・ファン・デル・ファールトのように、「最後は(母親の故郷)カディスでプレーすることを祖父と約束した」と公言するケースも少なくない。思い出の故郷は誰にでもあるもので、現役生活の最後をふるさとで過ごすことはきっと特別なことなのだ。
(記事提供:Qoly)
By Qoly