対談企画に参加した岡田武史さんと又吉直樹さん [写真]=野口岳彦
サッカー史に残る名選手である元アルゼンチン代表MFディエゴ・マラドーナが、大活躍を見せた1986年のメキシコ・ワールドカップから今年で30年が経過する。
『サッカーキング』では節目の年を迎えるにあたり、様々な人物にマラドーナを語ってもらう連載企画を実施。選手としても監督としても日本代表での実績がある岡田武史さんと、高校時代は関西の強豪校・北陽高校のサッカー部で活躍した過去もある又吉直樹さんに、サッカー界に大きな影響をもたらしたマラドーナについて聞いた。
お笑い芸人『ピース』のボケとして、最近では小説『火花』の大ヒットなど作家としても活躍の場を広げている又吉さんだが、高校時代には大阪府で選抜チームに入るなど、サッカー選手としても活躍していた。小学校3年生でサッカーを始めたという又吉さんは、当時のマラドーナのプレーを見た影響で「左足しか使わないマラドーナを見て、カッコいいと思ったんです。次の日からすぐ練習に行って、僕は右利きやったんですけど、その日から左足しか使わなくして」と、虜になったことを明かすと、「僕の中でマラドーナを一人の神様みたいな存在にして、ずっとプレーを見て真似していました」と続ける。
又吉さんから岡田さんに「岡田さんが見てきた日本代表でマラドーナにマンマークつけるのに一番適しているのは誰ですか?」と質問が飛ぶと、「考えたことなかったけど。コンちゃん(今野泰幸)かな。コンちゃんあたりはちょっと粘るかもしれない」と、愛弟子の名前を挙げる。
岡田さんに、マラドーナのような世界のアイコンになれる選手が日本から生まれる可能性について尋ねると、「あれだけ破天荒な選手は日本で絶対に生まれないと思います」と見解。「異端を認めないというか、そういう社会だからマラドーナのような人はなかなか出てこないかもしれません」と話すと、又吉さんも「芸の世界でも難しくなっています。昔はお金が全くないとか、芸人で大学に行っている人はいなかった。けど今は大学を卒業した芸人もたくさんいるんです。以前は割と不良のような人が多かったですけど、今は常識がかなり求められる」と呼応し、マラドーナは時代の流れの中で生まれた特別な存在でもあることをコメントしている。
By サッカーキング編集部
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