サッカーではなく、フットサルの話。この日本代表選手の名は、逸見勝利ラファル(Henmi Katsutoshi Rafael)という。逸見は18歳でFリーグ・名古屋オーシャンズからプロフットサル選手としてデビュー、現在はポルトガルのベンフィカやフットサル日本代表でもプレーするブラジル日系3世だ。
今夏インドで開幕したプレミアフットサルには全6チームが参加する。それぞれのチームには、マーキープレーヤー(給与上限の制限を受けない選手)として世界のレジェンドプレーヤーたちが加入している。その目玉商品となったのがロナウジーニョである。
逸見はロナウジーニョと同じゴア州のチーム、ゴア5s(Goa Fives)に加入すると、すぐにチームの牽引役となった。ロナウジーニョは5ゴールを決め、新リーグのプロモーションに大きく貢献してリーグ半ばでチームを去ったが、そのうち4ゴールをアシストしたのが逸見だった。
リーグ後半からファイナルにかけて試合の会場となったゴアの街には、ロナウジーニョと素晴らしいコンビネーションをみせた「ラファエル」の名前が知れ渡っており、ゴア5s 対 コチ5s のセミファイナルに集まった観衆は、逸見がボールを触るたびに何かが起こることを期待して湧いた。
「むっちゃ疲れました!2試合続けて、40分間フル出場ですよ」
「他の5チームには3人のフットサル代表クラスの選手がいるのに、ゴアにはバンペッタ(フットサルイタリア代表)と自分のふたりだけ。これではキツい」
ロナウジーニョの替わりで参戦した元ブラジル代表のカフーをトップに据えるゴア5sは、ミッチェル・サルガドがゴールを死守するコチ5sを攻略できず、惜しくもファイナルには進めなかった。それでも翌日のクロージングセレモニーに参加した逸見を、ヒーローとセルフィーを撮ろうとするインド人のファンが囲んだ。
「ロナウジーニョのおかげでしょう。オレ、4アシストしてますからね!」謙遜とプライドを交えて笑う。
プレミアフットサルは現状、FIFAのフットサルルールに準拠していないため「プレーはちょっと難しいところはある」としながらも、「インドの盛り上がりはすごいし、リーグの展望もある」と、今後もベンフィカと平行してゴアでのプレーも続けるつもりだ。
いずれにしろ本人の意志に関わらずヒーローとなった逸見をインドは手放さないだろう。来年も、逸見とロナウジーニョのコンビネーションは観られるはず。
(アジアサッカー研究所/長谷川)
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By サッカーキング編集部
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