サッカーの競技規則を定める国際サッカー評議会(IFAB)が大幅なルール変更を検討している。イギリスメンディア『BBC』などが17日に伝えた。
IFABは競技規則の改善に向けて、新たに「プレイ・フェアー!」戦略を発表。「選手の態度やリスペクトの向上」、「プレー時間の増加」、「公平性や魅力の向上」の3ポイントを目標としており、ルール変更のアイディアを「規則変更の必要のないもの(即時実行可能なもの)」、「試験導入を予定しているもの」、「議論するもの」の3つに分けて公表している。
「選手の態度やリスペクトの向上」に関しては、ベンチメンバーへのレッドカード提示が議論される模様。ベンチの選手が退場となった場合、残っている交代枠を1つ減少し、交代枠を使い切っていた場合は次戦に持ち越すことが提案されている。他にも、審判団に詰め寄った選手に対する処分の厳格化や監督やチームスタッフへのカード提示を試験導入する可能性があるようだ。
「プレー時間の増加」は、「現行の90分の試合では、実際のプレー時間が60分以下であることに、多くの人が不満を抱いている」と説明されており、より厳密に実際のプレー時間をとるために、試合中の無駄な時間を省くことが焦点となっている。
その方法の1つとして、審判団にはプレーが切れたタイミングごとに時間を止める/再開させることを、より厳密に行うことが求められるようだ。それには2つの方法が議題として提案されている。最も時間を無駄にする傾向がある前半残り5分と後半残り10分での実施と、試合全体での実施だ。試合を通して行う場合には、実際のプレー時間を正確にとり、試合自体を30分ハーフにすることが1つの例として挙げられている。
その他、時間を止める/再開させることを含め、審判の時計と同じ時間をスタジアムに表示すること、FKやCKでキッカーに自身へのパスやドリブルを許可すること、ゴールキックはラインを割ったサイドから行うことなどが議論されるという。さらに、選手交代の位置について、ベンチ側ハーフウェイラインからではなく、最も近い場所からピッチを離れなければいけないルールをテストする可能性もあるようだ。
「公平性や魅力の向上」については、すでに報じられていたPK戦の実施方式変更が挙げられている。一回蹴るごとに先攻と後攻が入れ替わる通称『ABBAルール』の試験導入が決まっており、今年5月のU-17女子欧州選手権では決勝でドイツが、このルールのPK戦でスペインを破り、連覇を果たしていた。また、イングランドの優勝で幕を閉じたU-20ワールドカップでも同ルールが採用されていた。
そして、試合中のPKに関しても、PK戦と同じルールを導入することが議論される模様。PKがセーブや枠によって阻まれた場合、その時点でプレーを切ることが提案されており、“こぼれ球を押し込む”ことがなくなる可能性があるようだ。その他、ハンドの処分厳格化や、前半と試合終了のホイッスルをプレーが切れたあとに行うルールも話し合われるという。