ペップ・グアルディオラとレアル・マドリード。決して交わることのない2つの巨星が相見える時、フットボールファンはいつだって固唾を呑んでその行方を見守ってきた。戦いの舞台がプレシーズンであろうとも、競技の名前が「フットボール」ではなく「サッカー」であろうとも、この対決が見る者を興奮の渦に巻き込むことに疑いの余地はない。
UEFAスーパーカップの前哨戦となった23日のマンチェスター・U戦、そして29日のバルセロナ戦の間に組まれたこの一戦は、もしかするとジネディーヌ・ジダンにとっては“おまけ”の試合かもしれない。「どの試合も大事だ」というのがフランス人指揮官の口癖だが、時にはオンとオフを使い分けるのも長いシーズンを戦い抜くうえでは不可欠だからだ。
それでも、ジダンはこの試合を特別なゲームだと考えているだろう。「名選手、名監督にあらず」というのは、フットボール界で長らく使われてきた格言だったが、その定説に冷や水を浴びせたのがペップ・グアルディオラであり、カタルーニャ生まれの天才から“監督像”について大きな影響を受けたのがジダンだからだ。