10年前の『ワールドサッカー』誌の表紙を飾ったパト(左)、ドス・サントス(中央)、アンデルソン(右)[写真]=Getty Images
今から10年前、10代にして世界の注目を集めていた選手たちを覚えているだろうか。
毎年、数多くの新星が現れるサッカー界。日本では11月1日にFC東京が17歳MF平川怜と16歳FW久保建英の10代2選手とプロ契約を締結したことで話題となった。
しかし、若いときに注目を浴びたとしても、厳しいプロの世界において成功が約束されたわけではない。イギリス誌『ワールドサッカー』は2007年11月号で「最もエキサイティングな10代新星50人」を発表していたが、それから10年が経った今、若くして新星とうたわれた選手たちの何人が成功を掴んだのだろうか。
No.1〜10:バルセロナ“期待の若手”などが登場
当時バルセロナでは若手のFWボージャン・クルキッチとMFジオバニ・ドス・サントスが注目を集めていた。ボージャンは2007年から2011年までバルセロナのトップチームでプレーしたのち、ローマやミラン、アヤックスなどの名門クラブを渡り歩き、2014年にストークへ移籍。今シーズンはデポルティーボにレンタル移籍している。ドス・サントスは2008年にバルセロナを退団し、トッテナム、ガラタサライ、ビジャレアルなどを経て、2015年からMLSのロサンゼルス・ギャラクシーでプレーしている。
(カッコ内は現在の年齢/国籍)
1 FWサディック・アダムズ(27歳/ガーナ)
当時:アトレティコ・マドリード/現在:アサンテ・コトコ
2 MFイスマイル・アイサティ(29歳/モロッコ)
当時:PSV/現在:バルケスィルスポル
3 FWアレシャンドレ・パト(28歳/ブラジル)
当時:ミラン/現在:天津権健
4 MFアンデルソン(29歳/ブラジル)
当時:マンチェスター・U/現在:コリチーバ
5 MFジオバニ・ドス・サントス(28歳/メキシコ)
当時:バルセロナ/現在:ロサンゼルス・ギャラクシー
6 FWギャレス・ベイル(28歳/ウェールズ)
当時:トッテナム/現在:レアル・マドリード
7 FWセルヒオ・アグエロ(29歳/アルゼンチン)
当時:アトレティコ・マドリード/現在:マンチェスター・C
8 FWボージャン・クルキッチ(27歳/スペイン)
当時:バルセロナ/現在:デポルティーボ
9 DFブレーノ(28歳/ブラジル)
当時:サンパウロ/現在:ヴァスコ・ダ・ガマ
10 FWヘラルド・ブルーナ(26歳/アルゼンチン)
当時:リヴァプール/現在:オタワ・フューリー
1番に登場したFWサディック・アダムズは、2007年に韓国で開催されたU-17ワールドカップで6試合出場4ゴールを記録し、ガーナのベスト4入りに貢献。その活躍により、アトレティコ・マドリードに移籍したが、2010年1月には放出されてセルビアのヴォイヴォディナに加入した。その後、チュニジア、リビア、サウジアラビアなどを経験し、現在は母国ガーナのアサンテ・コトコに在籍している。
No.11〜20:“BBC”の1人やマンチェスター・Uの“アフロ”も新星だった
MFマルアン・フェライニは当時所属していたスタンダール・リエージュから、エヴァートンを経て、2013年にマンチェスター・Uに移籍し、着実にステップアップを果たした。また、FWカリム・ベンゼマは地元のリヨンでの活躍を受け、2009年にレアル・マドリード移籍をつかみ、今では“BBC”の1人として史上初のCL連覇などに貢献している。
11 MFアンヘル・ディ・マリア(29歳/アルゼンチン)
当時:ベンフィカ/現在:パリ・サンジェルマン
12 MFディエゴ・ブオナノッテ(29歳/アルゼンチン)
当時:リーベル・プレート/現在:ウニベルシダ・カトリカ
13 FWフランコ・ディ・サント(28歳)
当時:アウダックス・イタリアーノ/現在:シャルケ
14 FWマコーレー・クリサンタス(27歳/ナイジェリア)
当時:アブジャ/現在:ラミア
15 FWカリム・ベンゼマ(29歳/フランス)
当時:リヨン/現在:レアル・マドリード
16 MFドゥミトル・コピル(27歳/ルーマニア)
当時:ハーツ/現在:ソイミ・リポヴァ
17 DFファビオ・ダ・シウヴァ(27歳/ブラジル)
当時:マンチェスター・U/現在:ミドルズブラ
18 FWケルミト・エラスマス(27歳/南アフリカ)
当時:スーパースポーツユナイテッド/現在:レンヌ
19 DFファビオ・コエントラン(29歳/ポルトガル)
当時:ベンフィカ/現在:スポルティング
20 MFマルアン・フェライニ(29歳/ベルギー)
当時:スタンダール・リエージュ/現在:マンチェスター・U
FWマコーレー・クリサンタスは、U-17W杯で得点ランクトップの計7ゴールを挙げる活躍でナイジェリアを優勝に導き、リストに名を連ねた。2007年にハンブルガーSV移籍を果たすが、その後スペイン、トルコなどを渡り歩き、現在はギリシャのラミアでプレーしている。
No.21〜30:すでに現役引退を決断した選手も…
FWケルロンは2005年に行われたU-17南米選手権でMVPと得点王を獲得。ボールを頭にのせてドリブルする“アシカドリブル”を披露し、世界中から注目を集めた。2008年にはインテル移籍を勝ち取るが、ひざの負傷により思うように活躍できず、母国ブラジルのクラブを経て、2012年8月に当時JFLの藤枝MYFCに加入。その後はアメリカ、マルタ、スロヴァキアなどでプレーしたのち、今年10月に現役引退を表明していた。
現在レアル・マドリードで活躍しているMFトニ・クロースは、U-17W杯で主将としてドイツ代表をけん引し、計5ゴールを挙げる活躍で3位に導いて大会MVPにも輝いていた。その後、バイエルンとレアル・マドリードで計3度のCL制覇や、ドイツ代表でブラジル・ワールドカップ優勝を経験している。
21 FWギリェルメ(29歳/ブラジル)
当時:クルゼイロ/現在:アトレチコ・パラナエンセ
22 MFダミアン・イスモデス(28歳/ペルー)
当時:スポルティング・クリスタル/現在:ムニシパル
23 DFロレンツォ・デ・シルヴェストリ(29歳/イタリア)
当時:ラツィオ/現在:トリノ
24 MFノウル・ハディリア(27歳/チュニジア)
当時:クラブ・アフリカーン/現在:ビゼルティン
25 MFラビウ・イブラヒム(26歳/ナイジェリア)
当時:スポルティング/現在:スロヴァン・ブラチスラヴァ
26 FWケルロン(29歳/ブラジル)
当時:クルゼイロ/現在:現役引退
27 MFトニ・クロース(27歳/ドイツ)
当時:バイエルン/現在:レアル・マドリード
28 MFフアン・マタ(29歳/スペイン)
当時:バレンシア/現在:マンチェスター・U
29 MFルリーリャ(27歳/ブラジル)
当時:コリンチャンス/現在:浦項スティーラース
30 MFサポル・マニ(26歳/トーゴ)
当時:マナラサ/現在:未所属
No.31〜40:のちにJリーガーになった選手も
FWナザリトはU-17W杯に出場し、4試合で計3ゴールを挙げてコロンビアのグループステージ突破に貢献。2014年にはJ2のFC岐阜に加入し、翌年には当時J2のコンサドーレ札幌(現北海道コンサドーレ札幌)でプレーしていた。現在は母国コロンビアのインデペンディエンテ・メデジンからレンタル移籍でアル・アハリに加入している。
31 FWナザリト(27歳/コロンビア)
当時:アメリカ・デ・カリ/現在:アル・アハリ
32 FWランスフォード・オセイ(26歳/ガーナ)
当時:メディアマ/現在:未所属
33 MFアーロン・ニゲス(28歳/スペイン)
当時:バレンシア/現在:レアル・オビエド
34 DFダニエル・オパレ(27歳/ガーナ)
当時:アシャンティ・ゴールド/現在:アウクスブルク
35 MFフラン・メリダ(27歳/スペイン)
当時:アーセナル/現在:オサスナ
36 GKニコライ・ミハイロフ(29歳/ブルガリア)
当時:リヴァプール/現在:未所属
37 MFメスト・エジル(29歳/ドイツ)
当時:シャルケ/現在:アーセナル
38 MFアンドレア・ルッソット(29歳/イタリア)
当時:ベッリンツォーナ/現在:カターニア
39 MFレナト・アウグスト(29歳/ブラジル)
当時:フラメンゴ/現在:北京国安
40 MFアンリ・セヴェ(27歳/セネガル)
当時:ボルドー/現在:ニューカッスル
FWランスフォード・オセイはU-17W杯で得点ランク2位の6ゴールを挙げてリスト入り。マッカビ・ハイファ(イスラエル)、トゥウェンテ(オランダ)、グラナダのBチーム(スペイン)などでプレーしたが、今年1月にロヴァニエメン・パロセウラ(フィンランド)を退団して以降は未所属となっている。
その他、MFメスト・エジルはシャルケからブレーメン、レアル・マドリードを経て、2013年にアーセナルに加入。アトレティコ・マドリードMFサウール・ニゲスの兄であるMFアーロン・ニゲスは、主にスペイン国内でプレーし、現在はリーガ・エスパニョーラ2部のレアル・オビエドに在籍している。
No.41〜50:唯一2007年から同じクラブに在籍する選手など
アーセナルのイングランド代表FWセオ・ウォルコットは、このリストで唯一10年間同じクラブに所属しており、3度のFAカップ優勝を経験。同じく現在アーセナルに所属するチリ代表FWアレクシス・サンチェスは当時、ウディネーゼに所属していたが、2011年にバルセロナ移籍という大きなステップアップを果たした。3シーズンでリーガ・エスパニョーラ、コパ・デル・レイ、FIFAクラブワールドカップのタイトルを獲得し、2014年にアーセナルへ移籍した。
また、当時シャルケのクロアチア代表MFイヴァン・ラキティッチは、セビージャを経て2014年にバルセロナに加入。チャンピオンズリーグ(CL)制覇など多くのタイトルを手にしている。
41 DFマイカ・リチャーズ(29歳/イングランド)
当時:マンチェスター・C/現在:アストン・ヴィラ
42 FWアレクシス・サンチェス(28歳/チリ)
当時:ウディネーゼ/現在:アーセナル
43 MFセルヒオ・テヘラ(27歳/スペイン)
当時:チェルシー/現在:ジムナスティック・タラゴナ
44 DFマレク・スヒー(29歳/チェコ)
当時:スラヴィア・プラハ/現在:バーゼル
45 MFイヴァン・ラキティッチ(29歳/クロアチア)
当時:シャルケ/現在:バルセロナ
46 FWアブドゥ・ラザク・トラオレ(28歳/ブルキナファソ)
当時:ローゼンボリ/現在:コンヤスポル
47 FWカルロス・ベラ(28歳/メキシコ)
当時:アーセナル/現在:レアル・ソシエダ
48 FWセオ・ウォルコット(28歳/イングランド)
当時:アーセナル/現在:アーセナル
49 DFグレゴリー・ファン・デル・ヴィール(29歳/オランダ)
当時:アヤックス/現在:カリアリ
50 MFエベル・バネガ(29歳/アルゼンチン)
当時:ボカ・ジュニオルス/現在:セビージャ
By サッカーキング編集部
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