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U-17ワールドカップで盛り上がった2017年のインドサッカー

2018.01.03

インド初のFIFAワールドカップ開催!

 今年一番のニュースは、インドで初めてFIFA U-17ワールドカップが開催されたことに違いない。今までインド人にとってスポーツとはクリケットのみだった環境が一気に変化したように思えた。U-17の大会にも関わらず毎回2万人を超える観客が押しかけ、インド中で話題となった。日本代表U-17もタレント揃いの世代で、特に久保建英(FC東京)は、インドの新聞に取り上げられるくらい注目を浴びていた。日本は、グループリーグを突破するもトーナメント初戦で今大会優勝したイングランドとPK戦の末に敗北した。インド代表U-17は善戦の結果、グループリーグ敗退した。しかし、初めてのワールドカップ開催国ということもあり首相含め、たくさんの人たちから賛美を浴びた。そんなサッカー熱の高まりの中、早速FIFA U-20ワールドカップ開催に向けてインドは動き出している。

■今年もロナウジーニョ、ギグス、サルガドが集結インドプレミアフットサル!

 今年で2シーズン目となったプレミアフットサル。ロナウジーニョやライアン・ギグス、ミチェル・サルガドなどが来印した。今回は、予選をインドのムンバイとベンガルールで開催し、準決勝・決勝をドバイで開催するという二国間に渡っての大会となった。ロナウジーニョの人気はインドでも高く、ボールを持つたびに歓声が上がった。他にもマーキープレーヤーとして、エルナン・クレスポやデコも集結し、会場を沸かせた。決勝戦はムンバイ対デリー。シーズン1に続き、ライアン・ギグス率いるムンバイが優勝した。この模様は、タイやベトナムでは生中継され、日本でも録画放送された。まだシーズン3の開催は予定されておらず、今後この大会が継続して開催されるかは未定だ。

■日本とインドのサッカー交流が盛んに!

 日印友好交流60周年を記念してアビスパ福岡U-18対ベンガルールFC U-18の試合が開催された。日本のチームがインドに遠征することは少なく、お互いにとって貴重な体験となった。試合には在留日本人やインド人など1000人ほどの観客が集まった。これからの日本とインドの交流がもっと盛んになあるようにと、在ベンガルール日本国総領事やベンガルール市長代理など要人達も観客となり一緒に観戦した。試合は2対1でアビスパ福岡U-18が勝利し、タフな環境でも変わらないパフォーマンスを発揮できることを見せつけた。

■2つのリーグが存在するインド、今年は2リーグ同時並行で開催

 インドには、IMGリライアンスが運営するインドスーパーリーグ(ISL)と、インドサッカー協会(AIFF)が運営するインドリーグ(Iリーグ)が存在する。2014年にISLがスタートしてから2つのリーグが存在し、様々な影響や問題を引き起こしてきた。2016年までは、リーグの時期が異なったため、2つのリーグに所属していた選手もいたが、2017年からは同じ時期の開催となったため、選手は1チームに絞ることとなった。ISLには多くのスポンサーがつき、皆がテレビを見ている夜の時間帯に中継され、最近ではパブやレストランのテレビでもISLを見かけることが多くなった。一方、Iリーグは日中の試合が多く、観客動員も難しくなってきている状況だ。それでも、両リーグの統合の話は平行線をたどる一方だ。

 現在ISLでは、元マンチェスターユナイテッドのベルバトフや元アイルランド代表のロビー・キーンがマーキープレーヤーとしてプレーしている。体力は衰えているものの豊富な経験からチームを引っ張っている姿がよく見られる。今後も往年の名プレーヤーがインドでプレーする潮流は続くだろう。

 2018年、インドの2つのリーグは果たしてどうなるか?どの国の名プレーヤーがインドでプレーするのか?FIFA U-20ワールドカップはインドで開催されるのか? さらに世界中からインドサッカーに注目が集まる年になるだろう。

文=木米貴久
協力=アジアサッカー研究所

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