ポルトガルリーグのポルティモネンセで2年目のシーズンを戦っている中島翔哉。2018年ロシア・ワールドカップへの出場は残念ながらかなわなかったが、大会後に就任した森保一監督の下では10番を背負い、攻撃の中心を担っている。
ドリブルやシュートでの果敢なチャレンジを持ち味とする中島に、“元祖ドリブラー”である前園真聖が直撃した緊急対談の様子が、『Pleasure 中島翔哉 笑顔の飛翔』として2019年1月12日(土)に前編、1月19日(土)に後編として放送された。
「ちゃんと会って話すのは初めて」(前園)という両者。1月12日の前編では主に中島のプレー面について語り合った。まずは中島が参考にしている海外のプレーヤーについて。前園が「海外の選手って見ます?」と問いかけると、中島は「ハイライトで見て、それが頭に残っていて、試合にそれが自然に出てくる」と回答。攻撃的なポジションで参考にしている選手としてリオネル・メッシ、ネイマール、ロナウジーニョの名前を挙げた。
「小学生の時によく見ていた」というロナウジーニョについて中島はこう語った。
「ホントに技術が高くて、ボールを足のインサイド、アウトサイド、いろいろな場所を使う。背中を使ったこともありますし、それってすごく大事で、それを自然と、どんな舞台の試合でも出せるっていうのはすごいことなんじゃないかなと思っています」
ネイマールについては2016年リオデジャネイロ五輪の直前に対戦したことがあり(2016年7月31日、国際親善試合のU-23日本対U-23ブラジル戦、0-2で敗北)、その時の印象を踏まえてこう語っている。
「自信を持ってやっているというか、自信を身にまとってプレーしているような選手なので、それによって相手が飛び込めないというか。もちろんスピードもあるし技術もあるんですけど」
また、メッシについては「ドリブルを参考にしている部分がある」そうで、「相手をスピードを落とさずに抜いていくことが多い。ドリブルにおいてはスピードっていうのは大事だと思う」ことから、よく参考にしているという。
一方で、中島は自分のことを「全然ドリブラーとは思っていない」と打ち明けて前園を驚かせ、その理由を次のように明かしている。
「スピードも遅いですし、ファウルされることもあるので、それをもう少しレベルアップしていかなければならないなと思っていますし、プレーの中にあるクセみたいなものを取り除くというのは意外と大変なことなので、それを今やっています」
中島が言う「クセ」とは、「相手が来て、トラップする時に1回止まること」であるという。この後、18-19シーズンのポルトガルリーグの試合を見ながら中島が自身のプレーを解説していったのだが、第5節ギマラインス戦でアシストを決めた場面で「クセ」が出てしまったそうで、「ボールを持った時にちょっと動いちゃうんですけど、それがクセなんですよ。無駄な動きが多い」と解説。「最近ちょっと良くなってきましたけど」と、改善の兆しが見えつつあることも明かしてくれた。
日本代表についても話題が及び、前園が「森保監督はどんな人ですか?」と尋ねると、中島は「選手一人ひとりに気遣って声を掛けたりとかしてくれる監督です」と返答。自身が求められるプレーについては、このように語っている。
「どんどん仕掛けてプレーしてほしいと言われていますし、もちろん守備のところで、サイドバックの選手や近くにいる選手とコミュニケーションを取りながらやってほしいと言われるんですけど、基本的には攻撃でどんどん仕掛けてほしいと言われています。基本的なコンセプトみたいなのはありますけど、そこまで細かくあれをやれ、これをやれという感じではないです。状況に合わせながらやってほしいと言われています」
1月19日の後編では、前園が中島のプライベートやビッグクラブ移籍の噂について次々に切り込んでいった。中島は2017年8月のポルティモネンセ移籍発表と同時に結婚も発表している。前園が奥さんの性格について尋ねると、中島は「すごく優しいですし、芯も持っていますし、一緒にただいるだけで幸せっていう感じですね」と回答。また「(奥さんが)サッカーの楽しさ、忘れかけたものを思い出させてくれました。だからほんとに、今のスタイルを楽しめているのは奥さんのおかげです」と語り、さらに「一番いいアドバイスをくれる」と明かして前園を驚かせた。
「サッカーの世界にいると固定観念がどこかにあって、それナシで言ってくれるので。ホントに純粋でシンプルなアドバイス。それがすごく、どのスポーツ、どんな仕事でも大事なんじゃないかなって」という中島の言葉に、前園も感心していた。
また、中島はポルトガルで2匹の犬を飼っている。前園が犬種について尋ねると、中島はこんな裏話を教えてくれた。
「1匹はトイプードルで、もう1匹はジャーマンスピッツミッテルっていう。ポメラニアンだと思ってポルトガルで飼ったんですけど、違っていて。ポメラニアンの祖先のスピッツの……どうなっているのかは分からないですけど、スピッツですね。いつもは『ポメラニアン』と言ってるんですけど(笑)」
現役時代の前園は中島と同じドリブラータイプの選手だった。「僕もドリブラーだったので、監督と合う、合わないがハッキリしていた」と語ると、中島も「あ、一緒だと思います」と賛同。「今はポルティモネンセのスタイルに合っているからこうやって日本代表とかに選んでもらっています。また違うクラブに行ったらどうなるか分からないですし」と話していると、前園は「違うクラブに行ったら」という言葉に反応して「行くんですか?」と突っ込んでいく。
「自分に合ったクラブでプレーすることが大事だと思います」とかわす中島に対し、前園は「でも、ずっといないでしょ? 今のチームに。それはないでしょ?」と畳みかけていく。
中島は慎重に言葉を選びながら「本気で行きたいと思えるチームからのオファーがなかったらずっといると思いますし、ホントに行きたいと思ったチームから声を掛けてもらったら行きたい。サッカーをしていて楽しいと感じられると思うチームに(行きたい)」と語った。
そして前園が「どこの国に行きたいとかはありますか?」と問いかけると、中島は次のように語って前園の爆笑を誘った。
「個人的には、北欧のほうにオーロラを見に行きたいというのはあるんですけど(笑)。フィンランドとか、スウェーデンも、僕の奥さんがスウェーデンが好きなんで。個人的にも行ってみたいと思いますし、エジプトとかそういうところも行ってみたいですね」
By サッカーキング編集部
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