FOLLOW US

欧州5大リーグを対象に調査…後半戦に入って成績が急上昇したチーム、急降下したチームは?

2020.03.04

上段=成績急上昇クラブ 下段=成績急降下クラブ [写真]=Getty Images

 2020年も早いもので2カ月が経過した。欧州5大リーグ(プレミアリーグ、リーガ・エスパニョーラ、セリエA、ブンデスリーガ、リーグ・アン)の2019-20シーズンも後半戦がスタートして7試合程度を消化しており、いよいよクライマックスへと突入していく。

 ただ、長いシーズンには浮沈がつきものだ。開幕から快調に飛ばしていたチームが突如としてスランプに陥ることもあれば、不振にあえいでいたチームがウィンターブレイクを機に急浮上するケースもある。

 そこで今回は、欧州5大リーグの全98クラブを対象に、前半戦と後半戦の平均勝ち点を比較。後半戦に入って成績が急上昇したチームと急降下したチームを調べてみた。

 なお、ブンデスリーガの前半戦は「第1節から第17節まで」、その他4リーグの前半戦は「第1節から第19節まで」を意味する。

※データはすべて3月4日時点のもの
※カッコ内は「前半戦の平均勝ち点/後半戦の平均勝ち点/後半戦の平均勝ち点から前半戦の平均勝ち点を差し引いたもの」

後半戦に入って成績が急上昇したクラブトップ10

1位 ケルン(1.00/2.00/1.00)
1位 サッスオーロ(1.00/2.00/1.00)
3位 ナポリ(1.26/2.14/0.88)
4位 ワトフォード(0.68/1.56/0.87)
5位 メス(0.89/1.75/0.86)
6位 ドルトムント(1.76/2.57/0.81)
7位 バイエルン(1.94/2.71/0.77)
8位 ニーム(0.79/1.50/0.71)
8位 エスパニョール(0.58/1.29/0.71)
10位 セルタ(0.79/1.43/0.64)
10位 レッチェ(0.79/1.43/0.64)
10位 レヴァークーゼン(1.65/2.29/0.64)

 後半戦に入って最も変貌を遂げたのが、ケルンサッスオーロだ。どちらも平均勝ち点は後半戦に入って倍増(1.00→2.00)している。

 ケルンは第14節終了時点で最下位に沈んでいたが、以降の9試合で7勝(2敗)を挙げて11位に浮上。昨年11月に行った監督交代が功を奏し、欧州カップ戦出場権獲得も夢ではなくなってきた。一方のサッスオーロは、後半戦の5試合でわずか1敗(3勝1分け)。主力の引き抜きもありスタートで出遅れたものの、ようやくエンジンがかかってきた。しかし、新型コロナウイルスの影響で第25節から2週連続で試合が延期。チーム状態が上向いていただけに、残念なニュースとなった。

 3位に入ったナポリと4位のワトフォードも、監督交代が転機となったチームだろう。ジェンナーロ・ガットゥーゾ新監督が就任したナポリは、最初の5試合で1勝(4敗)しか挙げられなかったが、その後の6試合で5勝1敗。第21節にはホームでユヴェントスを下した。ワトフォードも2度の監督交代が行われるなど混迷を極めたが、昨年12月のナイジェル・ピアソン監督招へいを機に急上昇。2月29日に行われた第28節では3-0の勝利を飾り、リヴァプールに今季初黒星をつけた。

 同じことはバイエルンにも言え、昨年11月のハンジ・フリック監督就任を機に王者の姿を取り戻した。後半戦の平均勝ち点はリーグトップの「2.71」。欧州5大リーグでも、パリ・サンジェルマン(2.75)に次ぐ好成績を収めている。なお、首位で前半戦を終えたライプツィヒは、後半戦に入ってからの平均勝ち点が「1.71」。前半戦の平均勝ち点(2.18)と比較すると、0.46ポイントの下落となっており、チーム状況は対照的と言える。勢いで勝るバイエルンがこのままリーグ8連覇を達成するのか。ライプツィヒの逆襲にも期待がかかる。

 では次に、後半戦に入って成績が急降下したチームを見ていこう。

後半戦に入って成績が急降下したクラブトップ10

1位 トリノ(1.42/0.00/-1.42)
2位 カリアリ(1.53/0.50/-1.03)
3位 シャルケ(1.76/0.86/-0.91)
4位 レスター(2.05/1.22/-0.83)
5位 インテル(2.42/1.60/-0.82)
5位 サンテティエンヌ(1.32/0.50/-0.82)
7位 アスレティック・ビルバオ(1.53/0.71/-0.81)
8位 アウクスブルク(1.35/0.57/-0.78)
9位 ウディネーゼ(1.26/0.50/-0.76)
10位 ホッフェンハイム(1.59/1.00/-0.59)

 不名誉な1位に輝いたのはトリノ。なんと、後半戦に入ってから白星はおろか、勝ち点すら獲得できていない。後半戦全敗(6敗)は、欧州5大リーグでトリノだけとなっている。2月4日に監督交代を実施したものの、モレノ・ロンゴ新体制でも結果は出ず、3戦3敗とまさに泥沼状態だ。降格圏までは5ポイント差に迫っており、どうにかしてこの悪い流れを断ち切りたいところだ。

 2位もイタリア勢で、カリアリがランクイン。彼らもトリノに負けないほどの大スランプに陥っており、第15節以降は11試合連続で勝ちなし(4分け7敗)。第11節終了時点で4位につけていたが、後半戦に入って平均勝ち点は1ポイント以上も下落した。そして3日には、ロランド・マラン監督の解任を発表。再浮上のきっかけを掴めるのか注目が集まる。

 上記2チームを含め、イタリア勢は4チームがトップ10にランクイン。国別では最多となる。アントニオ・コンテ監督の下で快進撃を続けてきたインテルも、後半戦の平均勝ち点(1.60)は上から8番目。暫定ながら首位に躍り出たラツィオ(2.43)やユヴェントス(2.00)とは大きな開きがあり、優勝戦線に生き残るためには、これ以上の取りこぼしが許されない状況だ。

 前半戦を沸かせたレスターやシャルケも、勢いに陰りが見えている。レスターは後半戦9試合で3勝2分け4敗、シャルケも後半戦7試合で2勝3分け3敗と黒星が先行。予算規模や選手層を考えれば、むしろここまでの健闘ぶりを称えるべきだが、チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグの出場権のことを考えれば、ここ数試合が正念場だろう。特に、現在3位のレスターは“トップ4”の座を死守できるのか。ライバルたちの動向も含めて、目が離せない。

(記事/Footmedia

By Footmedia

「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

SHARE

SOCCERKING VIDEO