「キャプテン・ベストイレブン」に選出されたのは……? [写真]=Getty Images
人気の“○○のベストイレブンを作ってみた”シリーズ。今回は、欧州4大リーグのクラブでキャプテンを務める選手を集めてベストイレブンを作成してみた。フォーメーションは中盤がダイヤモンド型の3-4-3。腕章を巻く理由は様々だが、サッカー屈指のナイスガイたちが顔をそろえた。
◆フォーメーション[3-4-3]
▼GK
ウーゴ・ロリス(トッテナム/フランス)
<控え>
マヌエル・ノイアー(バイエルン/ドイツ)
GKに選んだのはロリスだ。2015-16シーズンからトッテナムのキャプテンを務め、昨シーズンはチャンピオンズリーグ(CL)で準優勝を経験。フランス代表でも主将の大役を担い、2018年のロシア・ワールドカップではチームを頂点に導いた。GKの候補にはノイアーも挙げられるが、キャプテンとして世界王者に輝いた点を評価し、ロリスを守護神に据えた。
▼DF
ジョルジョ・キエッリーニ(ユヴェントス/イタリア)
ハリー・マグワイア(マンチェスター・U/イングランド)
セルヒオ・ラモス(レアル・マドリード/スペイン)
<控え>
アレッシオ・ロマニョーリ(ミラン/イタリア)
ヴィリ・オルバン(ライプツィヒ/ハンガリー)
セサル・アスピリクエタ(チェルシー/スペイン)
最終ラインには左からキエッリーニ、マグワイア、S・ラモスを並べた。キエッリーニとS・ラモスはともにクラブ在籍15年目を迎えるベテランだが、キャプテン歴は全く異なる。キエッリーニが腕章を託されたのは、ジャンルイジ・ブッフォンが退団した2018年夏から。それでも前任者に負けないリーダーシップを発揮して、セリエA8連覇という偉業を成し遂げた。S・ラモスに関しては、もはや説明不要だろう。15-16シーズンからレアルの主将を務め、CL3連覇を達成。サッカー界で最も大きな成功を収めたキャプテンと言える。
そんな2人に比べると、マグワイアは現在27歳と今回のベストイレブンで最も若く、キャプテンに任命されたのも今年1月からとまだ日が浅い。それでも名門マンチェスター・Uで1年目からアームバンドを巻くのだから、優れたリーダーシップの持ち主であることがうかがえる。なお移籍情報サイト『transfermarkt』によれば、キャプテンを務めるセンターバックとして最高額の市場価値5600万ユーロ(12日時点のレートで約65億円)が付けられている。彼に関しては、今後の期待値も込めての選出だ。
▼MF
コケ(アトレティコ・マドリード/スペイン)
フランチェスコ・マニャネッリ(サッスオーロ/イタリア)
マルコ・ロイス(ドルトムント/ドイツ)
ジョーダン・ヘンダーソン(リヴァプール/イングランド)
<控え>
ダニエル・パレホ(バレンシア/スペイン)
マーク・ノーブル(ウェストハム/イングランド)
ダビド・シルバ(マンチェスター・C/スペイン)
ジャック・グリーリッシュ(アストン・ヴィラ/イングランド)
ダイヤモンド型の中盤は、サッスオーロのマニャネッリがアンカー。1列前の左にコケ、右にヘンダーソンを配置し、トップ下はロイスが務める。
現在35歳のマニャネッリは、キエッリーニやS・ラモスと同じくサッスオーロで15年目となるシーズンを戦う。ただ彼の出発点は4部リーグで、12-13シーズンにクラブ史上初のセリエA昇格を果たした。1つのクラブで4つのカテゴリーを経験した稀有な選手であり、クラブの歴代最多出場記録を更新し続けていることからもベストイレブンにふさわしいだろう。
ヘンダーソンとコケに関しては、「不屈の男」という表現がよく似合う。チームで最も目立つ選手ではないが、ピッチ上で全身全霊を尽くし、声でも味方を鼓舞してみせる。ヘンダーソンは今や最も頼りになるキャプテンの一人であり、ディエゴ・ゴディンの後を継いで腕章を巻くコケも主将歴こそ浅いものの、“シメオネイズム”を体現する選手として不可欠な存在だ。彼らのような選手が2人もいたら、どんな監督も落ち着いて試合を見られそうだ。
トップ下はD・シルバと迷ったが、キャプテン歴が1年長いロイスを選出。彼も度重なるケガを乗り越えて、今ではドルトムントの象徴となった。同僚たちが次々と移籍するなか、オファーを断り続けているところも好印象だ。
▼FW
ピエール・エメリク・オーバメヤン(アーセナル/ガボン)
リオネル・メッシ(バルセロナ/アルゼンチン)
ホアキン・サンチェス(ベティス/スペイン)
<控え>
ロレンツォ・インシーニェ(ナポリ/イタリア)
アンドレア・ベロッティ(トリノ/イタリア)
イケル・ムニアイン(アスレティック・ビルバオ/スペイン)
3トップに選出したのは左からオーバメヤン、メッシ、ホアキンだ。“ベティスの生ける伝説”と称されるホアキンは、今シーズンのラ・リーガで史上最年長ハットトリックを達成。38歳となった今も進化を止めず、底抜けに明るいキャラクターでムードメイカーとしても欠かせない。キャプテンは真面目な選手が多いので、彼のような“天然男”も必要だろう。何より今回のチーム最年長であり、「キャプテン・ベストイレブン」の主将を任せてもいいかもしれない。
対照的にメッシとオーバメヤンは、振る舞いや言動というよりも、プレーそのものでチームを引っ張るタイプのキャプテンだ。それぞれの職場(チーム)で最も結果(ゴール)を出す選手であり、誰もできないことをやってみせるから、文句も出ない。一般的にキャプテンはチームのことを第一に考え、1つの駒として働くことが多いが、彼らの場合はキャプテンのために同僚が働くことでチームがうまく回るというメカニズムになっている。だからメッシやオーバメヤンに「キャプテンシーがあるか?」と言われば様々な意見が出ると思うが、それもまた一つのキャプテン像なのだろう。
以上が各クラブのキャプテンで構成したベストイレブンである。今回は現役キャプテンを対象にしたが、歴代の主将経験者も含めて「キャプテン・ベストイレブン」を作ってみるのもおもしろいかもしれない。
(記事/Footmedia)
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