年齢的には高2のヴィルツ、高3のファティ、高1のムココ [写真]=Getty Images
第99回全国高校サッカー選手権大会が12月31日に開幕する。今大会は新型コロナウイルスの影響で全試合のチケット販売が中止となったが、前回大会準優勝の青森山田高校や4名のJリーグ内定者を抱えている昌平高校など注目校が数多く参加。頂点を目指して、各地で激しい戦いが繰り広げられることだろう。
そこで今回は、世界を舞台に活躍する“高校年代”の逸材たちをピックアップ。将来のスター候補生10名を紹介する。
※カッコ内は(生年月日/代表/所属クラブ/ポジション)
[写真]=Getty Images
■高校3年生(2002年4月2日~2003年4月1日生まれ)
1.アンス・ファティ
(2002年10月31日/スペイン代表/バルセロナ/FW)
今季もスペイン代表とエル・クラシコで最年少ゴールを記録。ドルトムントのアーリング・ハーランドのような豪快さはないものの、しなやかな動きと的確な判断、卓越した技術から放たれるシュートで次々とネットを揺らしてきた。移籍情報サイト『transfermarkt』が算出した市場価値は8000万ユーロ(約101億円)で、これはリヴァプールのDFフィルジル・ファン・ダイクと同じ。まさに“超高校級タレント”と言えるだろう。
2.エドゥアルド・カマヴィンガ
(2002年11月10日/フランス代表/レンヌ/MF)
16歳の誕生日を迎えた直後にプロ契約を締結。さらに2019年4月にはクラブ史上最年少でリーグ・アンデビューを果たし、欧州5大リーグでプレーした初の2002年生まれ選手となった。今年10月にはA代表で初ゴールを記録し、レアル・マドリードやバイエルンが獲得を熱望しているとされる。得意の左足から繰り出されるドリブル、パス、シュートのどれも18歳とは思えないレベルにあり、後方からの攻め上がりで得点を狙うこともあれば、中盤でのボール奪取もお手の物。究極の万能型として、今後のサッカー界をけん引していく選手になるのは間違いない。
3.ジョヴァンニ・レイナ
(2002年11月13日/アメリカ代表/ドルトムント/MF)
父クラウディオは元アメリカ代表のキャプテンで、2002年の日韓ワールドカップでもプレー。ジョヴァンニも昨年行われたU-17ワールドカップで同国代表のキャプテンを務めた。名手の血を受け継ぐ男はドルトムントの先輩ジェイドン・サンチョを“ロールモデル”とし、今季のブンデスリーガで3ゴール4アシストを記録するなど、チームの主軸として活躍中。それでも現状に満足することなく、「ただの良いアメリカ人選手にはなりたくない」と話し、“世界のトップ10”を目標に掲げている。
4.ペドリ
(2002年11月25日/U-21スペイン代表/バルセロナ/MF)
いま急激に評価を高めている選手で、プレースタイルは自身も「憧れ」と話すアンドレス・イニエスタに瓜二つ。いわゆるテクニシャンだが、最大の特長は頭の良さにあり、攻撃だけでなく守備でも危険なエリアをカバーするなど、今季がトップリーグデビューのシーズンとは思えないパフォーマンスを見せている。クラブの公式発表によると、身長は174センチ、体重は60キロ。日本人の平均値ともそう変わらないだけに、参考になる部分も多いはずだ。
5.ジャマール・ムシアラ
(2003年2月26日/U-21イングランド代表/バイエルン/MF)
今年9月、バイエルンのブンデスリーガ最年少得点記録を更新(17歳205日)したのがムシアラだ。チェルシーの下部組織出身だが、2019年夏に生まれ故郷のドイツに戻ってバイエルンと契約。すると飛び級に次ぐ飛び級でトップチームにたどり着き、冒頭の快挙を成し遂げた。持ち味はドリブル突破で、アイドルは「ネイマール」。トップ下から両ウイングまでこなすことができ、果敢にゴールを狙おうとする姿勢は似ていなくもない。
■高校2年生(2003年4月2日~2004年4月1日生まれ)
6.フロリアン・ヴィルツ
(2003年5月3日/U-21ドイツ代表/レヴァークーゼン/MF)
今年5月に先輩のカイ・ハフェルツを上回る17歳15日の若さでレヴァークーゼンのトップチームデビューを果たすと、19日後にはバイエルン相手にゴールを奪って、ブンデスリーガの最年少得点記録(17歳34日)を樹立した。驚異の17歳だが、日本で言えば、まだ高校2年生。ヨーロッパリーグのグループステージ最終節スラヴィア・プラハ戦は“学校のテスト”を理由に欠場し、ピーター・ボス監督も「この試合より学校の方が大事」とのコメントを残した。選手もクラブも、文武両道の重要性を十分に理解している。
7.ジュード・ベリンガム
(2003年6月29日/イングランド代表/ドルトムント/MF)
イングランド2部のバーミンガムで最年少出場と最年少得点のクラブレコードを塗り替え、この夏にドルトムント入り。11月にはイングランド史上3番目の若さ(17歳136日)でA代表デビューを飾った。中盤センターを主戦場とし、10代とは思えないスケールの大きなプレーが最大の魅力。まだレギュラーの座を確保したわけではないが、マンチェスター・Uが獲得に乗り出していたように将来性は抜群だ。新たなワンダーキッドのさらなる飛躍が期待される。
8.ラヤン・シェルキ
(2003年8月17日/U-19フランス代表/リヨン/MF)
“育成の名門”リヨンの最新傑作で、華麗なテクニックと重心の低いドリブルから“ニュー・メッシ”と呼ばれる。ヨーロッパでプレーする最も活躍した21歳以下の選手に贈られる「ゴールデンボーイ賞」の候補100名にも選出。カマヴィンガとともにフランスの次世代を担う逸材と期待されている。6日にはリーグ・アンの最年少退場記録(17歳111日)を更新するなど、粗削りな部分も残すが、リヨン生まれ、リヨン育ちのアタッカーは、ワールドクラスへ上り詰めるだけのポテンシャルを持つ。
■高校1年生(2004年4月2日~2005年4月1日生まれ)
9.ルカ・ロメロ
(2004年11月18日/U-17アルゼンチン代表/マジョルカ/MF)
「左利きで、スピードがあって、狡猾で、すばしっこくて、タフでもある。まさにアルゼンチンの10番という選手」。彼のプレーを見た指導者がそうコメントしたように、彼もまた“ニュー・メッシ”と呼ばれる逸材だ。久保建英が昨季所属したマジョルカでプレーし、今年6月のレアル・マドリード戦でトップチームデビュー。15歳219日でピッチに立ち、リーガ・エスパニョーラの最年少出場記録を81年ぶりに更新した。11月には、2部とはいえ、16歳でプロ初ゴールをマーク。「ルカ・ロメロとしてサッカー界に名前を残したい」という本人は着実にスターへの階段を駆け上がっている。
10.ユスファ・ムココ
(2004年11月20日/U-20ドイツ代表/ドルトムント/FW)
以前から注目を集める存在だったが、ここ1カ月ほどはすっかり“時の人”になってしまった。11月21日のヘルタ・ベルリン戦でブンデスリーガの最年少デビュー記録(16歳1日)を打ち立てると、今月18日に行われたウニオン・ベルリン戦では、16歳28日で初得点をマーク。ヴィルツが持っていたリーグ最年少得点記録(17歳34日)を大幅に更新した。“新怪物”と呼ばれるハーランドは現在20歳だが、ムココが同じ年齢になった時には果たしてどんな活躍を見せているのか。世界中のサッカーファンが今後の成長を楽しみにしている。
(記事/Footmedia)
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