ついにPSGとの契約が残り半年を切ったエンバペ [写真]=Getty Images
2021-22シーズンの冬の移籍市場が1月31日で幕を閉じた。現行の契約が今季限りとなっている選手は、シーズン終了後にフリートランスファーが可能となる。
そこで今回は、今シーズン限りで契約満了を迎える選手をピックアップ。移籍情報サイト『transfermarkt』に掲載されている市場価値が高い選手トップ10を紹介する。
※カッコ内は現所属クラブ/国籍/年齢
[写真]=Getty Images
■キリアン・エンバペ:1億6000万ユーロ(約210億円)
過去に何度も移籍の噂が浮上しながら、パリ・サンジェルマン(PSG)との契約を全うすることになりそうなキリアン・エンバペ。昨年夏にもオファーが届いたレアル・マドリードとは相思相愛だと見られ、夏の移籍が内定したとも報じられている。一方で、PSGはエンバペとの契約更新を諦めていない模様。他クラブとの交渉が可能となったフランス代表FWを引き留めることができるだろうか。
なお、チャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16で直接対決を控えている両クラブ。エンバペが注目を集めることは避けられないだろう。6日に行われたリール戦後、「マドリードに勝つことに集中している」と強調し、「先のことは決めていない」と語ったエンバペ。今夏フリーになる選手の中で、ケタ違いに市場価値の高い23歳のFWから目が離せない。
■ポール・ポグバ:5500万ユーロ(約72億円)
火のないところに煙は立たないが、火に油を注いでいるのは間違いなく代理人だ。スター選手の宿命ではあるが、移籍の噂が絶えることのないのがポール・ポグバだ。昨シーズンの途中、ポグバの代理人を務めるミノ・ライオラ氏はイタリアメディア『Tuttosport』で「ポールはマンチェスター・Uでハッピーではない」と衝撃発言。「マンチェスター・Uでのポール・ポグバは、終わったと言っていいだろう」と移籍を示唆していた。信頼関係を築いていたオーレ・グンナー・スールシャール前監督の下で、今季序盤は本来の力を発揮していたポグバだが、負傷離脱中に監督は交代。4日に行われたFAカップ4回戦ミドルズブラ戦でピッチに戻って来たばかりだ。PSG、レアル・マドリード、ユヴェントスらが移籍先候補として挙げられているが、来季のポグバの姿は果たしてどこで見られるのだろうか。
■パウロ・ディバラ:5000万ユーロ(約66億円)
プレミアリーグのビッグクラブ間で、争奪戦が繰り広げられそうだ。2015年からユヴェントスでプレーをし、ゴールを量産してきたアルゼンチン代表FWパウロ・ディバラ。プレミアリーグの“ビッグ6”と呼ばれる全クラブが獲得を望んでいるとの報道も出ている。即戦力として計算でき、移籍金が発生しないのであれば、高額なサラリーを要求しても応じてもらえるはずだ。セリエAのライバルであるインテルも契約を望んでいる模様だが、資金力が上回るプレミア勢が優位に立つことになるだろう。
■フランク・ケシエ:4800万ユーロ(約63億円)
冬の移籍は本人の希望で実現しなかった。1月の移籍に向けて、トッテナムと交渉していたミラン。クラブ間では合意に至ったというが、イタリアメディア『calciomercato』によれば、ケシエ自身がシーズン終了までミランでスクデット争いに参戦することを望んだという。またコートジボワール代表として参加中のアフリカ・ネーションズ杯に集中したいという気持ちもあったようだ。トッテナム以外にもマンチェスター・U、リヴァプール、レアル・マドリードなど、多くのビッグクラブから注目を集めているが、引く手あまたのMFはシーズンオフにどのような決断を下すのだろうか。
■マルセロ・ブロゾヴィッチ:4000万ユーロ(約53億円)
複数のビッグクラブから興味が寄せられているクロアチア代表MFマルセロ・ブロゾヴィッチだが、インテルと契約を延長する可能性もあるようだ。冬の移籍市場が開く前からマンチェスター・U、リヴァプール、ニューカッスル、チェルシー、バイエルンなどが移籍先候補に挙げられ、昨季までインテルを率いていたアントニオ・コンテ氏が率いるトッテナムも獲得に動いたと報じられた。しかしインテルは、2016年に加入して以降レギュラーとしてチームを支えてきたブロゾヴィッチに新契約を用意。ジュゼッペ・マロッタCEOは「本人もここに残ることを望んでいる」と断言している。バルセロナが夏にフリーでの獲得を目指しているとも報じられており、今後の展開に要注目だ。
■アントニオ・リュディガー:3500万ユーロ(約46億円)
クラブは慰留に努めているが、条件面で折り合いがついていないようだ。アントニオ・リュディガーは今季のプレミアリーグで、負傷欠場した1試合を除き全試合でフル出場している。現在の週給は10万ポンド(約1600万円)。チェルシー側は提示額を当初の14万ポンド(約2200万円)から20万ポンド(約3100万円)近くまで増額して誠意を見せているという。しかし、4日付のイギリス紙『デイリー・メール』によれば、リュディガーはフリーで移籍をすれば、新天地ではボーナス込みで週40万ポンド(約6200万円)を受け取れる立場にあることを理解しているという。
「新しいドアを開けてくれた」とトゥヘル監督の下でのプレーには満足しているが、金銭面で妥協点を見出せるかどうかが鍵となりそうだ。ドイツ代表DFにはこれまでバイエルンの他、レアル・マドリード、ユヴェントス、マンチェスター・U、PSGからの興味が伝えられている。
■ニクラス・ズーレ:3500万ユーロ(約46億円)
バイエルンのCEOオリヴァー・カーン氏は先月26日、ドイツ代表DFニクラス・ズーレが今季限りで退団すると明言した。交渉に長い時間を費やしたが、ズーレがバイエルンから提示されたオファーを受け入れなかったとのこと。報じられてきた移籍先候補はニューカッスル、トッテナム、チェルシー、バルセロナやドルトムントなど。本人は数年前からプレミアリーグでプレーすることを望んでいたとも言われており、リュディガーやアンドレアス・クリステンセン、セサル・アスピリクエタとの契約が今季限りで満了となるチェルシーが、獲得に向けて動く可能性は十分に考えられそうだ。
なお、ズーレの代理人を務めるフォルカー・シュトゥルートは先日、「新たなクラブはすでに決まっている。ニクラスは決断を下しており、彼に心変わりがあったら驚きだ」と語っていた。
■アンドレアス・クリステンセン:3500万ユーロ(約46億円)
ズーレを失うバイエルンが、後継者として獲得を望んでいると報じられているのが、チェルシーのデンマーク代表DFアンドレアス・クリステンセンだ。下部組織からチェルシーに所属しており、チェルシーと新契約締結に至らなかった場合、プレミアリーグの他のクラブとは契約を交わすつもりはないという。バイエルン以外には、バルセロナがアスピリクエタとのセットでクリステンセンの獲得を狙っていると報じられている。
クリステンセンは2015年から2シーズンに渡ってボルシアMGに期限付き移籍し、2年続けてレギュラーとして活躍した。1年目にはクラブの年間最優秀選手に選ばれており、ブンデスリーガにフィットした選手であることは間違いないだろう。国際舞台でも豊富な経験を持ちながら、まだ25歳という若きセンターバック。来季の所属先はどこになるのだろうか。
■ウスマン・デンベレ:3000万ユーロ(約39億円)
ウスマン・デンベレがバルセロナに大きな損失をもたらしたことは間違いないだろう。2017年夏に1億500万ユーロ(当時レートで約136億円)でドルトムントからバルセロナに加入したが、最終的にバルセロナは、負傷離脱を繰り返してきたフランス代表FWをフリーで手放すことになるかもしれない。1月中旬にシャビ監督から「契約延長」か「今冬の移籍」の2択を迫られたデンベレだが、移籍先が決まらないままタイムアップ。移籍期限の最終日にはPSGとの交渉の場に就いた模様だが、契約は成立しなかった。同日にはチェルシーも獲得に動いたと報じられたが、これはトゥヘル監督が否定している。夏にPSGに加わる可能性が高いと見られているが、果たして。
■アンドレア・ベロッティ:2800万ユーロ(約37億円)
1月終盤、ニューカッスルはイタリア代表FWアンドレア・ベロッティの獲得を試みたが失敗に終わったという。2015年にトリノに加入し、過去6シーズンのうち5回もクラブの最多得点者として名を刻んでいる。契約満了を迎えた後はステップアップしたいというのが正直な気持ちだろう。アーセナル、トッテナム、ウェストハムも興味を持っていると伝えられるが、セリエAで通算100ゴールを決めているベロッティ自身はミランへの移籍を望んでいるという。今冬での移籍は実現しなかったが、シーズン終了後に同クラブと契約に向けて前向きな話し合いができるだろうか。なお、ミランは40歳のズラタン・イブラヒモヴィッチとの契約を再び延長するのではないかと報じられており、スウェーデン代表FWの動向も関係してきそうだ。
(記事/Footmedia)
By Footmedia