前節のホーム最終戦ではホウガンユナイテッドFC相手に引き分けに終わったアルビレックス新潟シンガポール。しかし2位のセイラーズが敗戦したため、今節の直接対決に勝利すればリーグ戦の優勝が決まる。
絶対に落とせないセイラーズは前回欠場したディエゴロペス、キムシンウクをスターティングメンバーとして起用し、ベストメンバーをこの試合にぶつけてきた。
序盤から激しくボールを奪い合う両者だったが、いきなり試合が動く。前半5分、針谷奎人が左足で前線にロングボールを送ると、相手のクリアがイルハンにこぼれる。イルハンはバウンドを待たずにダイレクトでボレーシュート。インサイドで丁寧に当てたシュートはキーパーの届かないコースへと飛んで、先制点。
先制したことで一度落ち着いて試合をコントロールしたいアルビSだったが16分、相手のフィードがDFラインの頭を超えるとキムシンウクに決められてしまう。
18分にはアルビSにアクシデント。 球際で激しく相手と交錯した大森大地が負傷交代し、三本木達哉がピッチへ入る。
その後セイラーズが球際の強さを発揮し、押し込まれるシーンが多く見られたが37分、コーナーキックのこぼれ球の流れから小林幹がヘディングシュート。クロスバーに嫌われるが、さらにそのこぼれ球を針谷、イルハンとつないで最後は田中幸大がヘディングで押し込み、セイラーズを突き放す。
その後も互角の戦いは続き、セイラーズは左サイドの元ベルギー代表レスティエンヌにボールを集めて突破を試みる。39分にはそのレスティエンヌのクロスからキムシンウクがヘディングシュート。得意な形を作られるがゴールとはならず難を逃れる。
激しい球際での戦いが続く中、アルビSは集中してゲームを運び、前半は1点リードで折り返す。
後半開始直後の52分、相手の右サイドからアーリークロスを入れられ、 相手選手にフリーでシュートを打たれるが、GK古賀が反応して足を出しビッグセーブ。 守護神がビッグプレーでチームを鼓舞する。
58分、前線のイルハンと交代で深澤奏人が投入される。左ウイングに入り、1対1で積極的に仕掛けてファウルをもらうなど消耗した相手に対して効果的なプレーを繰り返す。
お互いに譲らず締まりのあるゲームだったが78分に再びスコアが動く。
相手がロングボールの処理を誤った際に田中が反応しDFに競り勝つと、前に出てきた相手GKよりも先に触りボールはゴールへ転がる。相手DFが必死で戻るも間に合わずゴールイン。
欲しかった3点目が生まれる。
自分たちがボールを持つことで時計の針を進めるアルビS。試合も終盤に差し掛かった83分、アルビSの選手がクリアをする際にボールを追ってきた相手と交錯し、PKを与えてしまう。これをしっかりと決められ、84分に1点差まで追い上げられる。
相手サポーターも逆転に期待し、スタジアムの熱量も高まっていく。
わずか2分後の86分にはペナルティエリア内で相手に前を向かれるが、アルビSのDFも集中してシュートコースを消しながら寄せることでシュートは枠の外。全員で体を投げ出して守り抜く。
そんな中、ドラマはアディショナルタイムに待っていた。90分より3分経過した頃、前がかりになった相手の裏を田中が突き、キーパーとの1対1を制して土壇場でハットトリック達成。田中はシーズン31ゴール目の得点。
エースの得点で勝負を決めたアルビSは2年ぶり5回目のリーグ制覇を決めた。
試合終了後にピッチに倒れ込む選手の姿が試合の激しさを物語る。相手も後がない状況で激しいボールの奪い合いとなった今節、怪我によるアクシデントからいつも以上に総合力が問われる試合だった。
選手全員が球際に食らいつき、守り切りながらも最後までゴールを狙い続ける、アルビSらしさを体現したゲームだった。
リーグ戦は残り2節。次戦は再びアウェイでタンピネスローバーズと対戦する。
【日時】
2022年10月7日(金) 19:45キックオフ
【対戦相手】
ライオン・シティ・セイラーズ
【会場】
ジャランベサルスタジアム
【スコア】
ライオン・シティ・セイラーズ: 2
アルビレックス新潟シンガポール:4
【アルビレックス新潟シンガポール得点者】
5 イルハン
37 田中 幸大
78 田中 幸大
90+3′ 田中 幸大
■次節の予定
2022 SPL第27節(アウェイ)
2022年10月15日(土) 18:30キックオフ
VS タンピネス ローバーズFC
@アワ タンピネス ハブ
By サッカーキング編集部
サッカー総合情報サイト