バロンドールを受賞したベンゼマ [写真]=Getty Images
フランスのサッカー専門誌『フランス・フットボール』は17日、2022年のバロンドールを発表し、レアル・マドリードに所属しているフランス代表FWカリム・ベンゼマが初の栄冠に輝いた。
ベンゼマは1987年12月19日生まれの現在34歳。2009年夏にリヨンからの完全移籍でレアル・マドリードに加入した。2021-22シーズンはキャプテンマークを巻く試合も多く、精神的支柱としてチームを支えただけでなく、個人としても開幕からゴールを量産。ラ・リーガでは32試合の出場で27ゴール12アシストを記録し、レアル・マドリードに2シーズンぶり35度目のタイトルをもたらした。
加えて、チャンピオンズリーグ(CL)ではグループステージの6試合で5ゴールをマーク。決勝トーナメントに進んでからは、ラウンド16・セカンドレグのパリ・サンジェルマンでハットトリックを記録し、チームを敗退の危機から救うと、準々決勝・ファーストレグのチェルシー戦でも2試合連続のハットトリックを達成。セカンドレグでは延長戦でゴールを決め、レアル・マドリードを勝利に導いた。準決勝・セカンドレグのマンチェスター・C戦でも延長戦で勝負を決めるPKを沈め、決勝戦のリヴァプール戦ではゴールこそ挙げられなかったものの、フル出場で勝利に貢献。“白い巨人”にとって4シーズン14度目となる欧州制覇の原動力となった。同シーズンの公式戦通算では、46試合に出場して44ゴール15アシストを記録している。
レアル・マドリード所属選手の受賞は2018年度のルカ・モドリッチ以来。フランス人の受賞は1998年度のジネディーヌ・ジダン以来となり、レイモン・コパ、ミシェル・プラティニ、ジャン・ピエール・パパン、ジダンに次ぐ5人目の受賞となった。
バロンドールは2022年より、現代サッカーの要求、特殊性、発展に完全に調和し、透明性と公平性を確立する目的で、評価方法に4つの変更点を加えた。これまで1月から12月までだった評価期間を、8月から7月までに移行。この決定に伴い、大半の欧州主要大会で採用されている秋春制の1シーズンが評価対象となった。さらに、リストの選出プロセス、審査員数の減少、選出基準の変更が発表されていた。
“世界一”の選手に贈られるバロンドールは1956年に創設された。2010年にはFIFAとのパートナーシップにより、名称を“FIFAバロンドール”と改めた。しかし、契約満了に伴い2016年から『フランス・フットボール』主催の「バロンドール」が復活。2021年は新型コロナウイルスの影響により、「リストに『新型コロナウイルスの影響により例外的な状況で獲得したトロフィー』といった消えない注意書きを入れたくなかったから」として、初の受賞者なしとなった。昨年はパリ・サンジェルマン(PSG)に所属しているアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが受賞。自身の持っていた単独最多受賞記録を更新する7度目の栄誉に輝いていた。
2022年のバロンドール順位は下記の通り。
【2022年バロンドール順位】(カッコ内、国籍/現所属クラブ)
1位 カリム・ベンゼマ(フランス/レアル・マドリード)
2位 サディオ・マネ(セネガル/リヴァプール→バイエルン)
3位 ケヴィン・デ・ブライネ(ベルギー/マンチェスター・C)
4位 ロベルト・レヴァンドフスキ(ポーランド/バイエルン→バルセロナ)
5位 モハメド・サラー(エジプト/リヴァプール)
6位 キリアン・エンバペ(フランス/パリ・サンジェルマン)
7位 ティボー・クルトワ(ベルギー/レアル・マドリード)
8位 ヴィニシウス・ジュニオール(ブラジル/レアル・マドリード)
9位 ルカ・モドリッチ(クロアチア/レアル・マドリード)
10位 アーリング・ハーランド(ノルウェー/ドルトムント→マンチェスター・C)
11位 ソン・フンミン(韓国/トッテナム)
12位 リヤド・マフレズ(アルジェリア/マンチェスター・C)
13位 セバスティアン・ハラー(コートジボワール/アヤックス→ドルトムント)
14位 ラファエル・レオン(ポルトガル/ミラン)
14位 ファビーニョ(ブラジル/リヴァプール)
16位 フィルジル・ファン・ダイク(オランダ/リヴァプール)
17位 カゼミーロ(ブラジル/レアル・マドリード→マンチェスター・U)
17位 ドゥシャン・ヴラホヴィッチ(セルビア/ユヴェントス)
17位 ルイス・ディアス(コロンビア/リヴァプール)
20位 クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル/マンチェスター・U)
21位 ハリー・ケイン(イングランド/トッテナム)
22位 ベルナルド・シルヴァ(ポルトガル/マンチェスター・C)
22位 トレント・アレクサンダー・アーノルド(イングランド/リヴァプール)
22位 フィル・フォーデン(イングランド/マンチェスター・C)
25位 ダルウィン・ヌニェス(ウルグアイ/ベンフィカ→リヴァプール)
25位 クリストファー・エンクンク(フランス/ライプツィヒ)
25位 ジョアン・カンセロ(ポルトガル/マンチェスター・C)
25位 アントニオ・リュディガー(ドイツ/チェルシー→レアル・マドリード)
25位 マイク・メニャン(フランス/ミラン)
25位 ジョシュア・キミッヒ(ドイツ/バイエルン)
【歴代受賞者】(カッコ内、国籍/受賞時の所属クラブ)
2022年 カリム・ベンゼマ(フランス/レアル・マドリード)
2021年 リオネル・メッシ(アルゼンチン/パリ・サンジェルマン)
2020年 中止
2019年 リオネル・メッシ(アルゼンチン/バルセロナ)
2018年 ルカ・モドリッチ(クロアチア/レアル・マドリード)
2017年 クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル/レアル・マドリード)
2016年 クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル/レアル・マドリード)
2015年 リオネル・メッシ(アルゼンチン/バルセロナ)
2014年 クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル/レアル・マドリード)
2013年 クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル/レアル・マドリード)
2012年 リオネル・メッシ(アルゼンチン/バルセロナ)
2011年 リオネル・メッシ(アルゼンチン/バルセロナ)
2010年 リオネル・メッシ(アルゼンチン/バルセロナ)
2009年 リオネル・メッシ(アルゼンチン/バルセロナ)
2008年 クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル/マンチェスター・U)
2007年 カカ(ブラジル/ミラン)
2006年 ファビオ・カンナヴァーロ(イタリア/ユヴェントス)
2005年 ロナウジーニョ(ブラジル/バルセロナ)
2004年 アンドリー・シェフチェンコ(ウクライナ/ミラン)
2003年 パヴェル・ネドヴェド(チェコ/ユヴェントス)
2002年 ロナウド(ブラジル/レアル・マドリード)
2001年 マイケル・オーウェン(イングランド/リヴァプール)
2000年 ルイス・フィーゴ(ポルトガル/レアル・マドリード)
1999年 リヴァウド(ブラジル/バルセロナ)
1998年 ジネディーヌ・ジダン(フランス/ユヴェントス)
1997年 ロナウド(ブラジル/インテル)
1996年 マティアス・ザマー(ドイツ/ドルトムント)
1995年 ジョージ・ウェア(リベリア/ミラン)
1994年 フリスト・ストイチコフ(ブルガリア/バルセロナ)
1993年 ロベルト・バッジョ(イタリア/ユヴェントス)
1992年 マルコ・ファン・バステン(オランダ/ミラン)
1991年 ジャン・ピエール・パパン(フランス/マルセイユ)
1990年 ローター・マテウス(ドイツ/インテル)
1989年 マルコ・ファン・バステン(オランダ/ミラン)
1988年 マルコ・ファン・バステン(オランダ/ミラン)
1987年 ルート・フリット(オランダ/ミラン)
1986年 イゴーリ・ベラノフ(ソ連/ディナモ・キエフ)
1985年 ミシェル・プラティニ(フランス/ユヴェントス)
1984年 ミシェル・プラティニ(フランス/ユヴェントス)
1983年 ミシェル・プラティニ(フランス/ユヴェントス)
1982年 パオロ・ロッシ(イタリア/ユヴェントス)
1981年 カール・ハインツ・ルンメニゲ(西ドイツ/バイエルン)
1980年 カール・ハインツ・ルンメニゲ(西ドイツ/バイエルン)
1979年 ケヴィン・キーガン(イングランド/ハンブルガーSV)
1978年 ケヴィン・キーガン(イングランド/ハンブルガーSV)
1977年 アラン・シモンセン(デンマーク/ボルシアMG)
1976年 フランツ・ベッケンバウアー(西ドイツ/バイエルン)
1975年 オレグ・ブロヒン(ソ連/ディナモ・モスクワ)
1974年 ヨハン・クライフ(オランダ/アヤックス)
1973年 ヨハン・クライフ(オランダ/アヤックス)
1972年 フランツ・ベッケンバウアー(西ドイツ/バイエルン)
1971年 ヨハン・クライフ(オランダ/アヤックス)
1970年 ゲルト・ミュラー(西ドイツ/バイエルン)
1969年 ジャンニ・リヴェラ(イタリア/ミラン)
1968年 ジョージ・ベスト(北アイルランド/マンチェスター・U-)
1967年 アルベルト・フローリアン(ハンガリー/フェレンツヴァーロシュ)
1966年 ボビー・チャールトン(イングランド/マンチェスター・U)
1965年 エウゼビオ(ポルトガル/ベンフィカ)
1964年 デニス・ロー(スコットランド/マンチェスター・U)
1963年 レフ・ヤシン(ソ連/ディナモ・モスクワ)
1962年 ヨゼフ・マソプスト(チェコスロバキア/ドゥクラ・プラハ)
1961年 オマール・シヴォリ(イタリア/ユヴェントス)
1960年 ルイス・スアレス(スペイン/バルセロナ)
1959年 アルフレッド・ディ・ステファノ(スペイン/レアル・マドリード)
1958年 レイモン・コパ(フランス/レアル・マドリード)
1957年 アルフレッド・ディ・ステファノ(スペイン/レアル・マドリード)
1956年 スタンリー・マシューズ(イングランド/ブラックプール)
※2010年度から2015年度まではFIFA年間最優秀選手とバロンドールが統合されて「FIFAバロンドール」。バロンドールは94年度まではヨーロッパ国籍対象。95年度から欧州クラブ所属選手が、2007年から全世界の選手が対象に。
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By サッカーキング編集部
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