アンカラギュジュvsチャイクル・リゼスポル戦での一幕 [写真]=Getty Images
スュペル・リグ(トルコ1部リーグ)の試合で衝撃の事件が発生したようだ。11日、イギリスメディア『BBC』が伝えている。
事件が発生したのは現地時間11日に行われたスュペル・リグ第15節アンカラギュジュvsチャイクル・リゼスポルの一戦。14分に幸先良く先制したホームのアンカラギュジュは50分に退場者を出し数的不利で最終盤へ。90+5分にはチャイクル・リゼスポルの選手にもレッドカードが提示され10人対10人となるも、その約2分後に同点ゴールが生まれ、試合は1-1でタイムアップとなった。
しかし、試合終了のホイッスルが吹かれるとアンカラギュジュのファルク・コジャ会長がピッチに乱入。試合の主審を務めていたハリル・ウムット・メラー氏の顔面を殴るという愚行に及んだ。ピッチに倒れ込んだ同氏は、その後も複数人に頭部を蹴られた模様。その後、同氏は駆け付けた選手やコーチングスタッフ、警備員らの助けを借りつつ、その場を後にしたようだ。報道によると、病院に搬送されたメラー氏の命に別条はないものの、左目の周辺に出血と軽度の骨折が確認されたという。また、治安部隊の監視下にあるコジャ会長も病院で治療を受けており、今後は勾留手続きが進められる予定だ。
この前代未聞の事件を受け、トルコサッカー協会(TFF)は同日に声明を発表。「ハリル・ウムット・メラー氏に対する非人道的で卑劣な攻撃を強く非難する。我々はメラー氏の健康状態を注視しており、彼の一日も早い回復を願っている」としたうえで、「国と連携し、この非人道的な攻撃の当事者および扇動者への刑事訴訟が開始される。責任を負うクラブとその会長、メラー氏を攻撃したすべての者は最も厳しい方法で処罰されるだろう」と、暴行に加担した当事者に厳しい処分を科す方針であると明かした。また、国内のリーグ戦が無期限延期となったことも併せて発表している。
なお、アンカラギュジュは「我々は今夜発生した事件を非常に残念に思っている。チャイクル・リゼスポルとの試合後に発生した悲しい事件について、トルコサッカー界とスポーツ界全体に謝罪する」と声明を発表。対戦相手のチャイクル・リゼスポルも「今日の試合後に発生した望ましくない出来事を強く非難する」としつつ、「ハリル・ウムット・メラー氏の一日も早い回復を願っている」と強調している。
また、国内屈指の強豪ガラタサライも「今日、我々全員が団結し、我々全員が関わっている問題を解決するために行動しなければならない」と発表。トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領も「スポーツは平和と兄弟愛を意味し、暴力は相容れないものだ。トルコのスポーツで暴力が発生したことは決して許されることではない」と今回の事件を強く非難している。
By サッカーキング編集部
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