川崎F、山根視来のMLS移籍を正式発表…LAギャラクシーと3年契約締結、吉田麻也の同僚に

　川崎フロンターレに所属しているDF山根視来が、MLS（メジャーリーグ・サッカー）のロサンゼルス・ギャラクシーに完全移籍することが決まった。6日、両クラブが発表している。ロサンゼルス・ギャラクシー側の発表によると、契約期間は2026年夏までの3年間と伝えられた。

　山根は1993年12月22日生まれの現在30歳。桐蔭横浜大学を経て、2016年に湘南ベルマーレへ入団した。ルーキーイヤーは負傷の影響もあって出場機会を得られなかったものの、在籍2年目から主力に君臨。3バックの右を主戦場として曺貴裁監督（現：京都サンガF.C.）の信頼を掴んだ。2020年より川崎Fへ完全移籍加入。右サイドバックで不動の地位を確立すると、チームは2020シーズンと翌2021シーズンにかけて明治安田生命J1リーグ連覇を成し遂げた。2度の天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会優勝、1度のFUJI XEROX SUPER CUP（現：FUJIFILM SUPER CUP）制覇も経験している。加えて、個人としても2020シーズンから3年連続でJリーグベストイレブンにも輝いた。川崎Fでは公式戦通算172試合出場12得点を記録している。

　また、川崎Fでの活躍が森保一監督に評価され、2021年3月に日本代表に初招集。国際親善試合の韓国代表戦でデビューを飾り、同試合でゴールを挙げる活躍を見せて3－0での勝利に貢献した。以降は日本代表に定着。FIFAワールドカップカタール2022でも26名の招集メンバー入りを果たし、グループステージ第2節コスタリカ代表戦（●0－1）に先発出場した。これまでに国際Aマッチ通算で16試合に出場して2得点を挙げている。

　完全移籍に際し、山根は川崎Fを通してコメントを発表。川崎Fで奮闘した4年間を振り返りながら、今回の移籍を決めた1つの要因にも触れ、クラブに関わる全ての人々へ感謝の言葉を綴った。

「川崎フロンターレに関わるすべての皆さま、この度MLSのLAギャラクシーに移籍することになりました。昔は嫌なイメージだった等々力陸上競技場がこの4年間で本当に大好きになりました。プレーしていて一番ワクワクするスタジアムです。どんな結果であろうと前向きな言葉で力をくれるフロンターレのサポーターには感謝の気持ちしかありません。そんなみんなとたくさんの勝利を分かち合うことができて本当にうれしかったです」

「日本代表に必ずなると決めて移籍してきた4年前、周りを見たら本当の意味でレベルの違う選手たちに囲まれて、たくさんの刺激を受けました。すごい勢いで成長して世界に飛び出していく後輩たち、やっぱりすごいと何度も何度も思わせてくれる先輩方。自分が誰よりも結果を出す。その空気がフロンターレにあったからこそ、今の自分がいます。タイトルを獲り続けるチームの空気を持っているクラブはそう多くありません。だからこそ多くの選手が育ち、多くのタイトルを獲ってこられたのだと思います」

「30歳になりベテランと言われることも少しずつ増えてきました。でも、いつも心の中に、生活や文化、言語、サッカーのスタイル、日本とは何もかもが違う、自分にとってより厳しいところでチャレンジしてみたい。そんな思いがありました。このチャンスを逃したくないと思い、この決断をしました。苦しいこともたくさんあった2023年、天皇杯で優勝してフロンターレ全員で泣いて笑えたことが一番の思い出です。4年前には想像ができなかった言葉を、偉大な先輩、後輩、監督、コーチングスタッフ、トレーナーの皆さんからかけていただきました。それだけでも必死に頑張ってきてよかったなと思えました」

「4年間という短い間でしたが、本当に濃い毎日を過ごすことができました。川崎フロンターレは日本サッカーにとって、本当に価値のあるクラブだと信じています。4年間本当にありがとうございました」

　また、ロサンゼルス・ギャラクシーのゼネラルマネージャー（GM）を務めるウィル・カンツ氏は「J1リーグと天皇杯で複数回にわたってトロフィーを掲げ、J1リーグのベストイレブンにも3度選出されたミキがギャラクシーに加入することを嬉しく思います。ミキはAFCチャンピオンズリーグやFIFAワールドカップでも豊富な国際経験を積んでおり、我々のチームにとって非常に貴重な存在となってくれるはずです」という言葉で山根の加入を歓迎。グレッグ・ヴァニー監督も次のような言葉で山根に期待を寄せた。

「ミキのような素晴らしい経歴を持つ選手をチームに加えることができて嬉しく思います。ミキは経験豊富なディフェンダーで、落ち着きがあり、攻撃面でも非常に万能です。我々はプレシーズンで彼をこのチームに迎え入れることを楽しみにしています」

　ロサンゼルス・ギャラクシーは2023シーズンのMLSウェスタン・カンファレンス（西地区）を14チーム中13位で終えた。現在のチームには、日本代表でチームメイトだったDF吉田麻也が在籍している。