紆余曲折を経てポルトに加入したオモロディオン [写真]=Getty Images
今夏のポルト加入後、公式戦7試合で7ゴールを挙げているU-21スペイン代表FWサムエル・オモロディオンが、これまでのキャリアを振り返った。12日、スペイン紙『マルカ』が伝えた。
現在20歳のオモロディオンは、ナイジェリアからの移民の両親の下、スペインの飛地メリリャで生まれ、セビリアに移住。地元クラブでプレーした後、2021年からグラナダの下部組織に入団した。EFE通信のインタビューに応じたオモロディオンは、「僕の幼少期は少し厳しかった」と過去を回想。「僕のお母さんは僕の姉と僕の面倒を見る必要があった。僕のお母さんは多くの場合、僕を練習まで行かせるお金がなく、僕らは(練習場まで)歩いて行くしかなった。時には十分に食べるお金もなかった。去年、ようやくお母さんを労働から解放させ、家も買うことができた。お母さんは過去にできなかったことを楽しめるようになったんだ」と、母親との苦労の日々を明かした。
2023年8月のアトレティコ・マドリード戦でグラナダでのトップチームデビューを飾ったオモロディオンは、同試合で得点を挙げた活躍が認められ、同年夏にアトレティコ・マドリードへ移籍。そのまま2023-24シーズンはアラベスへの期限付き移籍に出されると、ラ・リーガ34試合8得点を挙げる活躍を披露し、注目を浴びる存在となった。
しかし、アトレティコ・マドリード帰還後も同クラブでの居場所はなかったとオモロディオンは告白。「アトレティコ・マドリードでは、僕はサイドラインで練習していた。関係者という感じもしなかったし、サッカー選手という感じもしなかった。トレーニングをしても、頭が『するな』と言うんだ。嫌な時間を過ごしたよ。幾夜も泣いて…家族もお母さんもとても辛い時期だった」と、苦悩の日々を過ごしていたと語った。
「誰も(僕を必要としない理由を)僕に話してくれなかったし、僕も誰とも話さなかった。僕はまだアトレティコ・マドリードの選手で、トレーニングに行かなければならなかったし、従わなければならなかった。クラブの立場はすでに知っていた。こういったことはサッカーの世界ではよくあることで、経験を積み、将来のために学んでいくものなんだ」
そんななか、今夏にはチェルシーへの移籍が浮上したが、加入直前でクラブ間交渉が破談に終わり、結局ポルトへ移籍。「とても複雑な夏だった。マドリードにいたときは、とてもひどい思いをした。最終的には、すべてがうまくいったことを神に感謝している。仮にチェルシーでうまくいかなかったとしても、それは理由があってのことで、最終的にはすべてがうまくいった」と、結果的にポルトへの加入が正解だったことを認めた。
「今シーズンのスタートには満足している。自分の特性がうまくフィットするクラブ、チームに来た。サッカーが好きな攻撃的なチーム。ポルトガル最高のクラブで、タイトルを目指して戦うんだ」
「いまだにポルトガルリーグを、失礼ながらプリメーラRFEF(スペイン3部)のように描いている人がいるのは事実だ。しかし、非常に高いレベルの選手たちがいて、何百万ドルもの報酬が支払われ、非常に高いレベルのチームがある。ラ・リーガと違うのは確かが、過小評価すべきではない」
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By サッカーキング編集部
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