インタビューに応じてくれたミンツラフCEO
2024年8月、オーストリアに本拠を置くエナジードリンクブランド『レッドブル』で知られるRed Bull GmbHが、大宮アルディージャおよび大宮アルディージャVENTUSを運営していたエヌ・ティ・ティ・スポーツコミュニティ株式会社が発行する全株式を取得したことが発表となった。
その後、運営会社はRB大宮株式会社とし、11月6日にはチーム名を『RB大宮アルディージャ』、エンブレムはクラブカラーであったオレンジを残しつつ、レッドブルを象徴する2頭の赤い牛が配置される新しいものに変更することが発表された。
Red Bull GmbHは、Fomula 1をはじめとしたモータースポーツやアーバンスポーツに力を入れており、サッカークラブの運営にも2005年から本格参入。レッドブル・ザルツブルク(オーストリア)、RBライプツィヒ(ドイツ)、レッドブル・ブラガンティーノ(ブラジル)、ニューヨーク・レッドブルズ(アメリカ)を所有している、影響力を広げている“マルチクラブオーナーシップ(MCO)”グループの一つだ。
そのトップに立つオリヴァー・ミンツラフCEOに、レッドブルグループとしてのマーケティング方針や、RB大宮として歩む道、MCOの利点などについて聞いた。
インタビュー=小松春生
―――これまでに何回か来日されていますが、日本の印象はどのようなものをお持ちですか?
ミンツラフ 私自身、陸上選手だったということで、現役時代に大阪でハーフマラソンを走りましたし、世界大会にも出ました。東京やいろいろなところにも行きました。日本は来るたびに素晴らしいと思わせてくれる国です。
―――マーケティングの観点において、なぜ日本、そしてRB大宮を獲得しようと考えたのでしょうか?
ミンツラフ 私たちにとって、それぞれにそれぞれがいる価値があると考えています。例えば、レッドブルにとって日本で何かやりたいと思ったけれども、日本に何があるのかを考えた場合、スポーツにおいては、日本であれば今は野球がNo.1ですけれども、サッカーもそれに次ぐぐらいで、子どもたちもたくさんプレーをしています。ですので、サッカーは非常に大きなポテンシャルがあると考えました。日本の代表チームを見てもそうですし、多くの若い選手がヨーロッパでプレーをしているということを考えれば、サッカーでレッドブルがやっていく、これには大きなポテンシャルがあると判断しました。
―――レッドブルグループ全体としてはサッカーの競技面、そして特にビジネス面ではどこを重視して取り組まれていますか?
ミンツラフ 私たちはそれぞれのクラブの自主性を尊重しています。そして、それぞれのクラブがやっていること、そこから他のクラブが学んでくれること、そのネットワークができていること、そこからまたさらに力を得て強くなっていくこと、これを重視しています。
―――日本サッカーのレベルについては、どの程度にあると分析し、どの程度のポテンシャルを感じていますか?
ミンツラフ 前回のワールドカップでも、日本サッカーは何ができるかを、みんなが目の当たりしたと思います。多くの、それこそトップクラスの才能がある選手たちが、ヨーロッパのトップクラブでたくさんプレーをしています。だから私たちとしては、日本のサッカーの若い選手たちには、非常に大きな可能性があると考えています。Jリーグも多分そう考えていると思いますが、そういった形でどんどんリーグがレベルアップしていけばいいと思いますし、加えて、才能ある選手たちがすぐにヨーロッパでプレーするようになるのではなく、日本でもっと長くプレーしてくれるようなレベルのクラブになっていったら、もっといいと思っています。
―――マリオ・ゴメスさんの領域かもしれませんが、日本の選手のどういった部分に可能性があると、個人的に意見があればお願いします。
ミンツラフ ちゃんとした答えはマリオやユルゲン・クロップができると思います。私の答えは表面的ではありますが、日本の選手は全般的な特徴として規律正しく、非常に熱心、勤勉、大きなエネルギーを持ち、パワーがある点があります。それを自分が体現するんだという強い意志もありますし、90分間を力いっぱい走りぬく思いもあります。これはレッドブルのポリシーと合致しています。
―――マルチクラブオーナーシップの利点をどこに感じていますか?
ミンツラフ この利点は、サッカーという形を通じて、その国に「私たちがいる」という印象を残すこともあります。特にサッカーに関しては、それぞれの国、クラブの監督も違いますし、どんなプレーをするかはクラブによって違います。それでも、私たちがそのクラブを一緒に作り上げていることをわかってもらいたいですし、やっていきたいです。それがレッドブルの持っている哲学を共有するということになります。それは若い選手を育てていく。そして、非常に高い強度でプレーをする。これがレッドブルの哲学ですが、それはどの国のクラブであっても、共通のものとしてやっていってもらいたいと思います。RB大宮に関しても、他のクラブに関しても、若い選手を育てること、女子チームに力を入れて強くしていくこと、こういったことを「一緒にやっていく」、それが私たちにとって大切なことです。
―――若い選手がすぐに海外へ行かず、まずは日本で長くプレーしたいと思えるクラブにするというお話がありましたが、一方で他国のクラブとの選手交流を活発にするといったプランは考えていますか?
ミンツラフ 将来的にはあるかもしれません。ただ、先ほども言ったように、今の日本の若い選手たち、才能がある選手たちの視線の先はヨーロッパです。ですから、ぜひ日本やアメリカでもそうですが、クラブそのものがもっと強くなり、そういった選手たちが「ヨーロッパではなく、もっと日本で、このクラブでプレーして強くなっていきたい」と、言うようなクラブになってほしいと思っています。
―――ユルゲン・クロップが来年1月から加わります。どのような期待をしていて、どのような影響がレッドブルグループ全体、そしてRB大宮アルディージャにあると考えていますか?
ミンツラフ ユルゲン・クロップは皆さんも知っての通り、行くところ、行くところで結果を出してきた人です。彼は自分が何をしたいか、自分の哲学とは何たるかをはっきりと理解をしている人ですし、それを選手たち、選手以外の人たちに伝える能力があります。また、そのために人を動かすという力も持っている人です。ですので、彼がレッドブルファミリーの一員として、RB大宮を見に来るということは、RB大宮を次のステップへ導く上で、一緒にやっていくという大きな一歩になると思います。
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By 小松春生
Web『サッカーキング』編集長