ポルトの新監督に就任したマルティン・アンセルミ氏[写真]=Getty Images
27日にポルトの新指揮官に就任したアルゼンチン人監督マルティン・アンセルミ氏の経歴について、アルゼンチンメディアの『オレ』や『TNT Sports Argentina』が同日に報じた。
今月20日にヴィトール・ブルーノ前監督を成績不振により解任したポルトは、後任としてメキシコの強豪クルス・アスルを率いていた39歳の若手指導者、アンセルミ監督を招へいした。
アルゼンチンメディアによると、アンセルミ監督は幼い頃から自身にサッカー選手になれる能力がないと自認し、指導者になることを夢見ていたという。高校卒業後はジャーナリストの専門学校に入学し、ラジオ局を設立。ラジオパーソナリティなどを務めた後、25歳で指導者コースの受講を開始した。
しかし、指導者だけでは生活できず、印刷業の仕事で生計を立てた。すると、印刷所の顧客からインデペンディエンテの下部組織のサポート業を紹介される縁に恵まれ、無給という条件ではあったが、夢を追うために仕事を辞め、サッカーの現場の世界へ足を踏み入れることを決断した。
その後、同氏は下部カテゴリーで指導者としての経験を積み、2015年には4部リーグのエクスクルシオニスタスの下部組織で監督デビュー。しかし、そのチームでは指導するための環境が十分に整っておらず、苦労も絶えなかったという。
同監督は『Coach’s Voiceスペイン語版』で当時を振り返り、「(ホームスタジアムに観客席がなく、分析に使用する試合映像を高い位置から撮影出来なかったため)試合前に三脚とカメラを持ち、妻に木に登ってもらって撮影するのを手伝った。最初の頃、彼女はまだ撮影に慣れておらず、時々いくつかのプレーが録画できていなかった。そのせいで家で口論したことを覚えているよ」と下積みの日々について語った。
着実に指導者としての実力を高めた同監督は、2021年5月末にエクアドルの強豪インデペンディエンテ・デル・バジェの監督に就任すると、2023年末に退任するまでの間にコパ・スダメリカーナを含む4つのタイトルを獲得。2024年1月にはクルス・アスルの監督に就任し、さらに評価を高めた。
そして今回、ポルトへのステップアップが実現。アンセルミ監督は同クラブへの就任に際し、「ここには、私が生涯夢見てきたものが息づいている。それは、情熱、仕事に対する文化、そして高い要求だ」と語り、自身が求めていた環境で仕事をできる喜びを語った。
By サッカーキング編集部
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