[写真]=Getty Images
2015年、2016年大会とファイナルまで勝ち進みながら、いずれもチリ相手にPK戦の末に敗れ、王座を逃した。思い返してみれば2004年、2007年も準優勝で、かれこれ1993年を最後に優勝がない。今度こそ。そんな思いは、アルゼンチン国民の誰もが抱えているはずだ。
リオネル・メッシ、セルヒオ・アグエロ、アンヘル・ディ・マリア、ニコラス・オタメンディといった歴戦のプレーヤーたちは健在だが、全体的に見れば、チームはロシア・ワールドカップ後から再建のフェーズに入っている。若いチームが、メッシをどう生かし、どう生かされるかに注目だ。
写真=Getty Images
*カッコ内は現所属クラブ
リオネル・メッシ(バルセロナ/スペイン)
16強で力尽きたロシアW杯後、一時的に代表活動を休止していたが、今年3月に8カ月ぶりの復帰を果たし、今大会でも10番とキャプテンの座に就く。今季もリーガでは34試合出場36ゴールで得点王に輝くなど絶好調。代表でも輝きを持続できるか。
セルヒオ・アグエロ(マンチェスター・C/イングランド)
メッシと並ぶアルゼンチンの大エースは、今季プレミアで21ゴール、公式戦通算でも30ゴールを積み重ね、ケガなくコンスタントに稼働してシティの国内3冠に大きく貢献した。まさに万全の状態で臨む今大会でも爆発なるか。
ラウタロ・マルティネス(インテル/イタリア)
高いシュート技術が持ち味の21歳。「アグエロの後継者」として名高い新鋭は、この大会で本格ブレークを狙っている。まずは先輩であるアグエロと先発の座を争うことになるが、チャンスを与えられればゴールラッシュの可能性は十分。
アンヘル・ディ・マリア(パリ・サンジェルマン/フランス)
メッシと同様にロシアW杯後は代表から遠ざかっていたが、本大会のメンバーにはしっかり名を連ねた。パリ・サンジェルマンのリーグ制覇に貢献した今季は、ドリブル、パス、シュートといずれも質の高さを見せつけ、12得点11アシストと結果を出した。
レアンドロ・パレデス(パリ・サンジェルマン/フランス)
柔らかで繊細なボールタッチから、効果的なパスを次々と繰り出す新生アルゼンチンの司令塔。今年1月にゼニトからパリSGへ移籍すると、評判に違わぬプレーぶりでスタメンに定着し、質の高いゲームメークを披露した。
ジオヴァニ・ロ・チェルソ(ベティス/スペイン)
攻撃センスと機動力に秀でたセントラルMFで、アシストだけでなく飛び出してフィニッシュに絡む動きも秀逸。ロシアW杯ではメンバー入りを果たすも出場機会がなかったが、新チームでは中盤の屋台骨を支える存在に。
ニコラス・オタメンディ(マンチェスター・C/アルゼンチン)
闘志あふれるプレー、パワフルなディフェンス、さらにペップ・グアルディオラの下で磨かれた戦術眼、どれを取ってもチームに欠かせない守備の大黒柱。守備陣の最年長者として、チームリーダーの役割も期待される。
ニコラス・タグリアフィコ(アヤックス/オランダ)
今季のCLで台風の目となったアヤックスでも黒子役が光った左サイドバック。武器は正確無比なキックと、MFのように組み立てに参加するインテリジェンスの高さ。ただサイドをアップダウンするだけではないセンスに注目。
リオネル・スカローニ監督
2018年ロシアW杯後、当初はU-20との兼任で暫定監督を務めていたが、18年11月に正式監督に。まだ40歳で指導歴こそ浅いものの、チームの若返りというミッションに励んでいる。ちなみに、メッシが当時17歳で参加した2006年W杯では現役代表選手だった。
文=寺沢薫