ヘント合流後、早速先発に名を連ねた渡辺剛(撮影は第15節ユニオンSG戦) [写真]=Getty Images
ヘントに所属しているDF渡辺剛が、現地時間4日に行われたジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー1部リーグ)第24節アンデルレヒト戦で先発入りし、77分までプレーした。
渡辺はAFCアジアカップカタール2023を戦う日本代表に招集されていた。1月24日に行われたグループD第3節のインドネシア戦(○3-1)に途中出場。82分よりDF冨安健洋に代わってセンターバックの一角に入り、およそ10分間プレーしていた。19日に行われた第2節イラク代表戦(●1-2)、31日開催の決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)バーレーン代表戦(○3-1)ではメンバーから外れており、他の2試合ではベンチから出番を待ちつつも、出場機会は前述のインドネシア代表戦のみとなっていた。
カタール時間で3日に行われた準々決勝で、日本代表はイラン代表に1-2と逆転負け。3大会ぶり5度目の優勝を目指した戦いはベスト8で終結し、イラン戦をもって今大会の日本代表チームは解散していた。
アジアカップ開催期間中、ヨーロッパのリーグ戦は中断期間などが設けられていないため、大会終了後はほとんどの選手が即座に所属クラブへ戻ることとなる。例えば、モナコに所属しているMF南野拓実は、フランス時間4日に行われたリーグ・アン第20節ル・アーヴル戦で早速メンバー入りし、72分より途中出場。日本代表とイラン代表の試合はフランス時間で3日の12:30にキックオフ、ル・アーヴル戦のキックオフ時刻は4日の13:00のため、イラン代表戦が終了してから24時間が経過していないにもかかわらず、早速チームに合流して公式戦のピッチに立っていた。
このような状況の中、南野に続いて渡辺も所属クラブで早速公式戦のピッチに姿を見せた。ベルギー時間に換算すると、イラン代表戦の終了からおよそ28時間後にキックオフを迎えたアンデルレヒト戦にて、ハイン・ヴァンハーゼブルック監督はチーム合流間もない渡辺を即座に先発で起用。イラン代表戦のピッチに立ってなかったとは言えど、移動による疲れがあることは明白の中、“中0日”でスタメン出場を果たした。
GKシュミット・ダニエル、MF横田大祐も先発に名を連ねた一戦は、立ち上がりからアンデルレヒトが攻め込むシーンを作ったものの、渡辺やシュミットをはじめとした守備陣が陣形を崩さず、決定機を作らせない。徐々にヘントもチャンスの数を増やしながら、前半はスコアレスで終盤に突入する。だが、迎えた43分、渡辺のファウルによってアンデルレヒトがPKを獲得。アンデルレヒトの右サイドから放たれたスルーパスに対して、渡辺は的確なポジショニングでカバーしたが、奪った後のボールタッチが大きくなると、先に体を入れたマリオ・ストロイケンスを後ろから蹴る形となってしまった。
このPKをアンデルス・ドライヤーがゴール右下に沈める。GKシュミットもコースを読んでいたが、自らの体の下を通され、先制点を奪われた。後半に入ると、53分に右サイドからカットインした横田が左足でシュートを放つも、狙い澄ました一撃はわずかに枠を外れる。その後もヘントはいくつかチャンスを迎えながら、GKカスパー・シュマイケルの守るゴールをこじ開けることはできない。終盤の86分にはセットプレーのこぼれ球に反応したジュリエン・デサートが強烈な一撃を叩き込むも、直前のボックス内のポジション取りでヘント側のファウルが確認され、得点は認められなかった。
試合はこのままタイムアップ。前節終了時点で4位のヘントにとっては、2位につけるアンデルレヒトとの勝ち点差を詰めるチャンスだったが、逆にその差を広げられる結果となった。他会場の結果により、ロイヤル・アントワープに追い抜かれて5位に転落。渡辺がチームを離れていた期間に行われた公式戦では1分3敗と苦戦が続いていたが、これで5試合未勝利となってしまった。
なお、渡辺はコンディション面の影響もあってか77分で途中交代となった。渡辺は昨年夏に加入したヘントで不動の立ち位置を築いており、アジアカップによるチーム離脱までは公式戦全34試合にフル出場していたが、今季初の途中交代となっている。シュミット、横田はフル出場を果たした。
次節は11日に行われ、ヘントはホームでサークル・ブルッヘと、アンデルレヒトは敵地で森岡亮太が所属するシャルルロワと、それぞれ対戦する。
【得点者】
1-0 45+1分 アンデルス・ドライヤー(PK/アンデルレヒト)
By サッカーキング編集部
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