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【インタビュー】道脇豊がベルギー2部から目指す「絶対的FW」への挑戦…将来は「ロアッソ出身で日本を代表する選手に」

14時間前

©︎SK Beveren

 道脇豊ロアッソ熊本史上初めて飛び級でのトップチーム昇格を果たし、16歳でプロ契約、そしてJリーグデビューを飾った“逸材”だ。しかし、今季の明治安田J2リーグでは9試合の出場にとどまり、今夏「もっと試合に出たいと思って環境を変えること」を決断した。

 かつて森岡亮太と小林祐希もプレーしたベルギー2部のベフェレンに期限付きで加入。今季ここまで公式戦全試合に出場を続け、すでに2得点をマークしている。「プレミアリーグで活躍できるような絶対的FW」を目指し、ベルギーで新たな挑戦をスタートさせたストライカーの今に迫った。

取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)

――今夏ベルギー2部ベフェレンへの期限付き移籍が発表されました。まずは海外挑戦を決めた理由や、約2カ月経った今の心境から聞かせてください。
道脇 ずっと海外には行きたいと思っていたのですが、昨年のU-17ワールドカップを経験して、若いうちに海外に行ってプレーすることが大事だと感じました。ロアッソではなかなか試合に出ることができず、このタイミングで環境を変えることにしました。人も街も言葉も全て違う国に行って、慣れないことも多かったのですが、今は少しずつ慣れてきて心地良く生活できています。

――その中でベフェレンに決めた理由は何でしょうか?
道脇 仮に強豪クラブに移籍できたとしても、そこで試合に出られない状況が続くこともあり得ます。もっと試合に出たいと思って環境を変えることにしたので、まずは試合に出られる可能性が高いクラブを選びました。

――マリンク・リーダイク監督は、昨季までアンデルレヒト・フューチャーズで後藤啓介選手を指導していました。
道脇 啓介くんとは積極的にコミュニケーションを取っていたみたいで、「2人でご飯に行ったこともある」と言っていました。監督から「今度、啓介と3人でご飯に行こう」と誘ってもらっているので、そのうち行くと思います(笑)。若い監督(現在31歳)なのでフレンドリーですね。まだ翻訳機を使いながらですけど、自分も監督室に行って積極的にコミュニケーションを取るようにしていますし、監督も英語で分かりやすく説明やアドバイスをしてくれます。

――ここまで公式戦8試合に出場し、2得点を記録しています。手応えとしてはいかがでしょうか?
道脇 やれるなという手応えは感じています。ただ、決め切る部分はもっとできると思いますし、そうすれば順位も上がっていくと思うので、得点を決めて自分の存在価値を示していきたいと思っています。

――ベルギーでプレーして感じた日本との違いはありますか?
道脇 要求が多いですね。例えばクロスが上げられるタイミングで上がらなかったら、年上の選手であったとしてもしっかりと伝えますし、みんなでガツガツと言い合える雰囲気の中でやることができています。

――その中でFWというポジションはより信頼を集める必要があると思います。
道脇 FWはどれだけプレーの内容が悪かったとしても、得点を決めて勝つことができればそれで良いポジションだと思っています。チャンスを外し過ぎたらパスが出てこなくなることもあると思うので、気負い過ぎずにもっと得点を決めて信頼される選手になっていきたいです。

©︎SK Beveren

――ベルギー2部の特徴や感じたギャップはありますか?
道脇 これは自分がロアッソ出身だからだと思うのですが……。リードしている展開の時、軽いファールを受けて結構倒れ込んだりするシーンが多くて、大木(武)監督がいたら「ファールを受けても、すぐに立ってプレーしろ」とみんな怒られると思います(笑)。大木監督からは「プレーする」ということを意識付けられてきました。そういった部分も含めてベルギーのサッカーなのだと感じています。

――道脇選手も大木監督のもとでかなり鍛えられたと思います。
道脇 ロアッソはショートパスをつないで前進していくスタイルでした。ロアッソで練習してきた成果なのか、ベルギーに来てからは余裕を持ってプレーできていると感じます。

――ベルギーにはたくさんの日本人選手がプレーしていますが、親交がある選手はいますか?
道脇 ダンくん(シュミット・ダニエル)とは2回ご飯に行って、娘さんと一緒に遊んだりもしました。ロアッソのジュニアユース、ユースの時の監督だった岡本賢明さんは、ダンくんとチームメイト(2014年、15年に熊本でプレー)で、自分がベルギーに行くタイミングで連絡を取ってくれました。小さい頃によくプレーを見ていましたし、すごいGKだと思っていました。そういった選手が身近にいて、一緒にご飯に行けることは感慨深いですね。

――ベルギーでの食生活はいかがですか?
道脇 スーパーに行っても何の食材なのか分からないことも多いので、翻訳機を使いながら頑張って探して作っています。この前は唐揚げを作ったのですが、売っている肉が骨付きしかなくて、めちゃくちゃ切りにくかったです(笑)。朝食と昼食はクラブで出るので、作るのは夕食だけなのもちょうどいいですね。

――自宅での過ごし方についてはいかがでしょうか?
道脇 家に帰ってからはYouTubeやNetflixを見たり、ご飯作ったり。あとは英語の勉強もしています。この前は(塩貝)健人くんと電話をつないで、一緒に英単語の問題の出し合いをしていました(笑)。

――テスト前の学生みたいですね(笑)。英語の重要性は感じるところですか?
道脇 こっちに来て感じたのは、母国語と英語を話せるのが当たり前なんですよね。せめて英語だけはと思って勉強しています。

――やはりロアッソの結果は気になりますか?
道脇 ハイライトですが、ロアッソの試合は見ていますね。(古長谷)千博くんとはずっとLINEをしていて「得点を決めたらお互いのイニシャルのポーズをやろう」という約束をしていたのですが、得点を決めて嬉し過ぎて忘れてしまいました(笑)。で、千博くんも決めたけど同じく忘れていましたね。(※道脇は第4節のヨングヘンク戦で1得点。古長谷は第33節のザスパ群馬戦で2得点をマーク)

©︎SK Beveren

――古長谷選手とは年齢も少し離れていると思うのですが、かなり仲良いのですね!
道脇 ベルギーに行く前、千博くんと(神代)慶人と3人で阿蘇にドライブしに行きました。慶人が大きなケガをしてしまったので、次決めたら「慶人のKだな」という話をしています!(※右膝外側半月板損傷で全治約5カ月)

――では、ここからの目標についてうかがいます。将来的にプレーしたい国やクラブはありますか?
道脇 プレミアリーグで活躍できるような絶対的なFWになりたいと思っています。海外でプレーしている同年代のFWはたくさんいるので、刺激をもらいつつ自分が一番になれるように頑張っていきたいです。

――日本代表への思いも聞かせてください。
道脇 日本代表でもたくさんゴールを決めて、「道脇にパスを出せば決めてくれる」という厚い信頼を持たれる選手になりたいと思っています。目標はワールドカップ出場です。2018年のロシア大会では日本中を巻き込みながら戦う選手たちを見て、ワールドカップという大きな舞台に立ちたいなと感じました。

――では、最後にこの記事を通して道脇選手を応援してくれる皆さんにメッセージをお願いします。
道脇 今は環境も充実していて、自分なりに楽しく頑張っています。もっと得点を取って上を目指したいですし、ロアッソ出身で日本を代表する選手になりたいと思っています。これからも応援よろしくお願いします!

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By 三島大輔

サッカーキング編集部

サッカーキング編集部所属。 週刊J2&月刊J3 MC。Jリーグ&ブラジルサッカーウォッチャー。

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