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東福岡 タレント集団が見せつけた彼我の差

2014.01.01

第92回全国高校サッカー選手権大会 1回戦 東福岡-米沢中央
松尾祐希(サッカーライター) 取材・文

13年1月2日(水)/14:10キックオフ/埼玉県・埼玉スタジアム2002/観客3412人/試合時間80分

東福岡 6 ( 3-0、3-0 ) 0  米沢中央

得点者
(東福岡)
木戸(前半11分、前半28分)
赤木(前半32分)
阿部(後半20分)
オウンゴール(後半28分)
増山(後半40+1分)

東福岡が立ち上がりから猛攻を仕掛け、前半11分の9木戸皓貴の得点を皮切りに、前半だけで3得点。後半に入っても主将8阿部敬太、オウンゴール、途中出場の17増山朝陽のゴールでリードを広げて、終わってみれば6-0の快勝。初出場の米沢中央を寄せつけず、盤石の勝利を収めた。

前半の立ち上がりから東福岡が、米沢中央に対して猛攻を仕掛ける。東福岡の森重潤也監督が「相手が5バックでくることは想定していたので、しっかりとサイドを突いて相手を広げさせて行きながら、中央やサイドから仕掛けられたらいいなと思っていた」と振り返ったように、10松田天馬、8阿部敬太、6草野昂希で構成される逆三角形の中盤がボールを動かし、ポゼッションを高めて両サイドにボールを展開。そしてラストパスを、大会得点王を狙う絶対的ストライカー9木戸皓貴に集約させる攻撃は、じわじわと米沢中央の守備陣に亀裂を走らせていった。

相手の守備陣形が崩れ始めた前半11分、9木戸がセンターバック4熊本雄太のクリアボールから抜け出すと、そのままドリブルで持ち込んで、冷静に左足でゴールに流し込む。これが『赤い彗星』のゴールラッシュの号砲となった。同28分には、10松田からの絶妙なスルーパスを受けた9木戸が再びゴールネットを揺らして追加点。さらに、同32分には右サイドから8阿部がクロスを入れると、スタメンに抜擢された19赤木翼が頭で合わせて、3点目を奪って、前半だけで勝負を決めた。

猛攻を受けた米沢中央は、「用意をしていたプランで得点を取るために、後半立ち上がりから2トップに戻しました」と鳥羽監督が語ったように、後半から9大木春陽を前線に投入して、1トップから2トップに切り替えて攻撃の枚数を増やすと、ようやく米沢中央にも攻撃機会が訪れた。

だが、サイドまでボールを運ぶが、そこから先に進めず攻めあぐねていると、後半20分、東福岡8阿部にとどめとなる4点目を決められ、再びペースをゆずってしまう。同28分には、オウンゴールでさらにリード広げられ、試合終了間際には途中出場の17増山朝陽に決められて、6失点。タレント集団に、彼我の差をまざまざと見せつけられた。

試合後、選手たちは勝利の喜びをかみしめていたが、森重監督は「選手たちは『優勝を目指す』と口にしていると思いますが、僕たちコーチングスタッフが気持ちの引き締めを行っていかないといけない」と厳しい表情で語り、初戦大勝にも笑顔はまったく見せなかった。唯一の目標である頂点を目指すために、1戦1戦を大事に戦っていく覚悟はできているようだ。

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