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今年の選手権ベスト4はすべて国立経験あり 注目は4強唯一のプロ内定がいる京都橘

2014.01.06

文=川端暁彦

 第92回全国高校サッカー選手権は、1月5日に準々決勝までを消化。残すは4強による“国立決戦”のみとなった。勝ち残ったのは、富山第一(富山)、四日市中央工(三重)、星稜(石川)、そして京都橘(京都)の4チーム。群雄割拠の時代になった高校選手権は毎年のように「初の国立」となるチームが出ていたのだが、今回は4強すべてが国立経験を持つチームとなった。

 四日市中央工のみ優勝経験を持っているが、単独優勝の経験はない。「今度は単独優勝を」というのが、長らく部の中で受け継いできた合言葉だ。対する富山第一はFW西野泰正(讃岐)らを擁した2000年度以来の国立進出。富山第一はその前年度にも当時の大会得点記録を塗り替えた(現在の記録は大迫勇也が保持)FW石黒智久(元富山)を擁して4強進出しながら、準決勝の壁にはね返されている。こちらの目標は、もちろん初の頂点だ。

 もう1カードは、星稜と京都橘。共に2年連続の国立到達となる。星稜が初の国立進出を果たしたのは、あの本田圭佑(ミラン)が主将として君臨していた2004年度。当時はPK戦の末に敗退となったが前年度超えに加えて「本田先輩超え」というのは分かりやすい目標だろう。これに対する新鋭校の京都橘は、前年度の準優勝校だ。大会最大の激戦区と言うべきブロックを勝ち抜いての2年連続4強は、快挙と言っていい。プロ内定選手で4強に残ったのは、京都橘FW小屋松知哉(名古屋加入内定)と同GK永井建成(熊本加入内定)の二人のみということもあり、大きな注目を集めそうだ。

 2020年の東京五輪に備えて改修工事が始まる関係で、現在の国立としてはこれがラストの舞台となる。現代の高校サッカーに「両校優勝」の規定はなく、笑顔で大会を去ることが許されるのは一校のみ。準決勝は11日、決勝は13日、言うまでもなく会場は国立競技場。「国立最蹴章」にその名を刻むのは、果たしてどの高校か。

文=川端暁彦

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