写真=hummel (株式会社エスエスケイ)
――髙瀬選手は北海道文教大学明清高校時代、どんな高校生活を送っていたのですか?
髙瀬愛実 高校時代は、真面目で通知表ではオール5をとっていました。本当ですよ(笑)。3歳年上の姉も、同じ高校に通っていて、やっぱりオール5だったんです。私の高校は文武両道を重んじる校風でしたし、私は特待生として入学して、やはり注目される部分もありますので、みんなの模範となるべく・・・というわけではないですが、サッカーも勉強も、まじめに取り組んでいました。
――高校時代、練習はどれくらいしていましたか?
髙瀬愛実 基本的に、部活は放課後毎日ありました。その他にも、自主的に部活の後に居残り練習をしたり、朝練をしたりしていましたし、週末もグラウンドに行っていましたね。
――ご家族のサポートもありましたか?
髙瀬愛実 中学生の時は実家にいたので、片道3時間掛けて、サッカー練習の送迎をしてくれたりしていましたが、高校時代は寮生活だったので、家族とは離れて生活していました。
――高校を卒業し、INAC神戸レオネッサに加入しました。最初のシーズンで、なでしこリーグ新人王に輝くなどものすごくスムーズにINACに溶け込まれた印象がありますが、高校のときにやっていたサッカーとのギャップはありませんでしたか?またINACに入るにあたり、あるいは入ってからも特別にトレーニングをされたことなどはありますか?
髙瀬愛実 それはギャップだらけですよ(笑)スピードもテクニックも、INACは全てが数段上で、それまで通用していたことが最初は何も通用しませんでした。INACに入団した年に、脱臼で1ヶ月間練習できなかった時期があったんです。なので、その時期に必死で筋トレをして、体を鍛えるところから始めました。現在でこそ、フィジカルの強い選手というイメージを持ってもらっていますが、高校時代は、そんな自分のストロングポイントも意識していませんでしたし、それでも、なんとなくそれで通用していたんだと思います。ケガが治ってからは、それはもう人一倍練習に励みました。チームが午前練習だけのときは、午後は自分で練習をして、午前・午後の2部練のときは、練習後後も残って自主練、ととにかく練習しました。基本、まじめなんですよね(笑)。でもそういうことの積み重ねがあって、最初のシーズンから結果を出すことができたんだと思います。
――振り返ってみて、高校時代にもっとこうしておけばよかった、ということはありますか?
髙瀬愛実 シュート練習でしょうか……。当時は感覚でプレーしていて、それでもそれなりに得点が決まっていたので、シュート練習をきちんとしていなかったというか(笑)。シュートに限らず、ひとつひとつ考えながらプレーをするということをもっとしておけばよかったと思います。今考えると、感覚でプレーしていて、イメージトレーニングとか、考えてプレーするという面が乏しかったので、サッカーIQも低かったなと思います。
――では、逆に高校時代に身につけて今役に立っていることは?
髙瀬愛実 身につけてということではないかもしれませんが、常に100%でプレーするということでしょうか。100点のプレーをするというのは、なかなかできるものではありません。でも体調やメンタル面を整えて、その時の100%を出し切ってプレーするというのは、自分でコントロールできることです。60%しか出してなければ、自分の中で言い訳もできてしまうし、それが習慣になってしまうと、100%を出すことが課題になってしまう。練習でも試合でも、100%でプレーしてこそ、本当の課題や問題点が見えてくるんだと思います。これはINACに入団して以降、現在も続けていることです。
――髙瀬選手も高校時代出場された高校選手権がまもなく開幕します。髙瀬選手自身、高校選手権にはどんな思い出がありますか?
髙瀬愛実 1年のときは、強豪の神村学園と対戦しました。3-4で負けてしまったんですけど、すごく良い試合だったのを覚えています。3年のときも強豪の鳳凰と試合で、これも惜敗でした。高校選手権では、悔しい試合が多かったのですが、でも毎回強豪チームと試合できて、熱くなったし、わくわくもしました。惜敗という悔しさがあったから、その差をなくすために頑張れましたし、本当に楽しかったですね。今考えると、まさに青春ですね(笑)
――三年生にとっては高校時代最後の大会となります。そんな高校生選手達にメッセージをお願いします。
髙瀬愛実 とにかく、頑張れっ!悔いを全く残さない、というのは無理かもしれませんが、勝っても負けても、後から思い出したときに良い思い出になるよう、100%の力でぶつかってほしいと思います。
取材協力・写真 hummel (株式会社エスエスケイ)