海星守備陣をドリブルで切り崩す大津FW坂元大希
文=川端暁彦
2月15日、第35回九州高校(U-17)サッカー大会(九州高校サッカー新人大会)が大分県内を舞台に開幕した。
同大会は九州8県の新人大会における優勝・準優勝校、計16校が参加して行われる新チームのカップ戦。高校2年生(4月から3年生)以下による九州高校サッカー王者の決定戦だ。他地域では「新人大会廃止論」が持ち上がる、あるいは地区大会のみで完結して県レベルの大会を実施しない形へ規模を縮小する傾向にあるなどするのだが、九州に関しては真逆。「他地域の方には驚かれますが、『九州はこの時期からガンガンやる』んですよ」(大津高校・平岡和徳監督)。
新人大会の意図や目標はチームごとに当然違ってくるが、まずは「モチベーションが自然と高まるので、たくさんの選手を使いたい。新チームの主力と見込む選手には自覚を促したいし、そうでない選手にはチャンスを与えたい」(平岡監督)、「1年生が入ってくる4月を前に、選手を見極める場になる」(鵬翔・松崎博実監督)といった選手を試す場という位置付けがある。
「練習試合ではない、真剣勝負の緊張感でやれるからこそ見えてくるものがある。しかも九州の新人大会はリーグ戦方式ですからね」と平岡監督。16チームを4ブロックに分けてのグループリーグ戦から始まる大会だけに、どのチームにも最低3試合が約束されている意味は大きい。会場にはJリーグ・大学のスカウトが大挙して訪れていたが(中には浦和レッズのフロント入りしたばかりの山田暢久氏の姿も)、外野にとっても、いち早く新チームに眠る逸材を発掘する場としても“ありがたい”大会と言える。
ただ、今年に関しては「まさか九州でこんなことになろうとは」と県関係者も驚きの豪雪という奇禍に遭遇。初日が中止となり、二日目以降も予定していた大銀ドーム周辺のグラウンドが使えず、県内各学校の土のグラウンドを使うことに。まさかの悪コンディションとなったが、こういう悪い環境だからこそ見えてくるものもある。これから毎日、現地・九州より大会のレポートならびに注目選手情報を発信していきたい。