文=川端暁彦
新シーズンに向けて期待の高校生プレーヤーを取り上げる本企画は、再び街クラブの選手を紹介してみたい。東京を代表する名門・三菱養和SCに所属するストライカー、ディサロ燦シルヴァーノだ。
2月11日に行われた東京都クラブユースサッカーU-17選手権大会決勝では、1トップとして先発出場。常に劣勢だったチームにあって、最後まであきらめない姿勢を見せ続けて観衆を大いに沸かせた。左利きながら「持ち替えたら間に合わないと思った」と逆足で決めたゴールを含め、最前線の脅威であり続けた。「去年はなかなか試合に出られず、期するものがある」と山本信夫監督が語るように、その熱さは真剣勝負への“飢え”を感じさせるものだったと言えるだろう。
そんな逆足のキックは「父親に小さいころから『両足を使えるようになれ』と仕込まれて磨かれたもの。「イタリアの男はみんなそうだと思いますが」と言うとおりの無類のサッカー好きである父親の薫陶が生きた格好だ(ちなみに、インテリスタとのこと)。パワフルな左足のキックに加えて、ゴールへの強い気持ちも秘める男には、今季大ブレイクの期待もかかる。憧れだと言うオランダ代表FWファン・ペルシーに少しでも近づくため、「巣鴨のファン・ペルシー」の挑戦は続く。