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ジャパンユーススーパーリーグで見せた流経新チームの10番・キャプテン相澤祥太

2014.03.04

五分のボールを競り合う流経MF相澤祥太(左)と四中工MF加藤慧 [写真]=川端暁彦

文=川端暁彦

 Jリーグも2014年シーズンが幕を開けたが、下部カテゴリーの中には既に開幕を迎えている地域もあるものの、高校年代のリーグ戦が本格化するのは総じて4月を過ぎて新年度になってから。一方、そもそも、それに先駆けて開幕することを“意義”としているリーグもある。それが、ジャパンユーススーパーリーグだ。

 同大会は1998年に中日本高校サッカースーパーリーグとして発足した大会を母体とする。北信越5校、東海4校、そして奈良育英高校を加えた高校10チームによるリーグ戦として発足した。その後、年を追うごとに参加チームは増加し、範囲も「中日本」という当初の枠組みを逸脱。現在は関東から中国地方までの強豪校やクラブチーム、あるいはJFAアカデミー福島のようなチームも多数参加する広域リーグとして機能している。

 雪でグラウンドが使えない期間に北信越のチームが太平洋側へ遠征して実戦経験を積むという目的もあった大会は、必然的に1月からスタートする。各チームとも“作りたてほやほや”でぶつかり合い、課題を抽出しつつ、それをトレーニングに反映していく場だ。チームによって位置付けはバラバラではあるものの、ポジションも定まっていない時期だけに選手たちのテンションは存外高い。その昔、豊田陽平(当時・星稜、現・鳥栖)をこの大会で観て「こんな奴がいたのか!?」と仰天した記憶があるのだが、そういう“発見”もある場だ。

 先日、私が赴いたのは、流通経済大学付属柏高校と四日市中央工業のゲーム。作りかけのチームだけに“個”がむき出しになる攻防戦は見ごたえ十分だった。中でも突出した存在感を示していたのは、流経新チームの10番にして、ゲームキャプテンも任されることになったボランチの相澤祥太。独特のキックフォームから繰り出す正確なパスワークと、戦況を観る目を持った、いわゆる“レジスタ”。ピッチ上の演出家として見事に機能していた。

 流経は他にも高い身体能力と精密な左足キックを備える左SB小川諒也、突破力とパンチ力を兼ね備えるFW高澤優也らが奮闘し、四中工を圧倒。6-2の大勝劇となった。もちろん、この時期の結果に大きな意味はない。ただ、流経新チームはチームを支えた3年生が大量に卒業してなお強い。そんな印象を受けるには十分なゲームだった。

 最後に補足しておくと、この日は国体代表の活動があった関係で下級生の主軸候補たちが不在だった。恐るべき層の厚さである。

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