専修大が早稲田大に完勝した [写真]=内藤悠史
関東大学1部リーグ第11節(前期最終節)が14、15日に各地で行われた。味の素フィールド西が丘では、15日の第2試合で専修大学と早稲田大学が対戦した。
3連覇中の専修大は、10試合を終えて7勝2分け1敗、勝ち点23で首位に立っている。5月末から6月8日まで開催された「アミノバイタル」カップ2014 第3回関東大学サッカートーナメント大会(総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選)でも初優勝を果たし、今季も安定した戦いを見せている。対するは、6勝3分け1敗で3位につける早稲田大。昨季もリーグ2位に終わり、「打倒・専修大」への意欲は強い。そんな両チームによる首位攻防戦は、専修大が3-0で完勝。精神面での強さと落ち着きの差が結果に反映され、思わぬ大差で決着することとなった。
同日の午前中にブラジル・ワールドカップのコートジボワール代表対日本代表が開催された影響で、このリーグでは珍しく夕方のキックオフとなった一戦。集中応援日に指定され、両校の学生が大きな声援を送った。夕日が差し込んだ前半は、早稲田大の積極的なプレスが際立つ展開に。ハーフウェーラインでボールを奪い、カウンターを仕掛ける場面が何度か見られた。ただ、そこで得たチャンスを活かせず、前半はスコアレスで終了した。
日が沈んで迎えた後半、専修大が先手を取った。50分、FW仲川輝人(4年・川崎フロンターレU-18出身)がPKを獲得し、自らゴール左隅に決めて先制。さらに67分には、左サイドでボールを奪ってMF佐藤遵樹(2年・ジェフユナイテッド千葉U-18出身)がクロスを上げると、中央に走り込んだMF私市一樹(2年・東海大学菅生高校出身)が合わせてゴールネットを揺らした。そして79分には、相手GKのクリアミスを拾ったFW前澤甲気(4年・清水商業高校出身)が無人のゴールへシュートを沈め、3点目を記録した。
試合後、専修大の副将DF北爪健吾(4年・前橋育英高校出身)は、「0-0の時間が多くても、我慢をしていれば前の選手が点を取るという確信があった。一発で点を取れる選手が揃っているので、まず失点をしないことを大前提にプレーをしていれば、必ず1点、2点は取れる。そう信頼しているので」と、自信を示した。一方、完敗を喫した早稲田大主将MF近藤洋史(4年・名古屋グランパスU-18出身)は、「このスコアが差というか…。内容というよりは、結果が実力差を示していると思います。ミスからの3失点でしたし。僕が1年生の時から、1回も(専修大には)勝てていない。内容的に押されていても相手は落ち着いていますし、試合巧者だなと」と、コメント。「先制されても、気持ちの面で落ちたという意識はなかったですが、結果としてミスが続いてしまったというところで、弱さが出たと思います」。前期日程を3位で終える形となったが、「このままでは全く勝てないと思う。組織を変えるくらいの気持ちでやらないといけない」と、厳しい言葉を口にした。
4連覇を狙うシーズンで首位ターンを果たした専修大の源平貴久監督は「(8日の「アミノバイタル」杯決勝に)集中して、タイトルを獲った後の試合だった。それでもしっかりリセットして、前半は様子を見ながらでしたけど、ギアを上げて良い内容の試合をできた。よくがんばったと思います」と、選手たちを称賛。ここまでの戦いを振り返って、「(ケルンMF)長澤(和輝)と(ヴァンフォーレ甲府MF)下田(北斗)がいなくなって、“今年はだめなんじゃないか”と言われていた中で、総理大臣杯予選(「アミノバイタル」杯)も獲りましたし、リーグも首位で折り返せたというのは、文句のつけようがないんじゃないかなと思います」と、手応えを語っていた。
関東大学1部リーグ第11節の結果および順位表は以下のとおり。同リーグは2回戦総当たり方式で開催され、対戦が一巡して前期日程を終えた。
筑波大1-0流通経済大
明治大2-3国士舘大
東京国際大0-1駒澤大
桐蔭横浜大0-3慶應義塾大
中央大1-2順天堂大
専修大3-0早稲田大
1位:専修大学(勝ち点26/得失点差+20)
2位:順天堂大学(勝ち点24/得失点差+10)
3位:早稲田大学(勝ち点21/得失点差+6)
4位:慶應義塾大学(勝ち点21/得失点差+6)
5位:明治大学(勝ち点18/得失点差+5)
6位:国士舘大学(勝ち点18/得失点差+2)
7位:駒澤大学(勝ち点16/得失点差-6)
8位:流通経済大学(勝ち点11/得失点差-6)
9位:桐蔭横浜大学(勝ち点10/得失点差-11)
10位:東京国際大学(勝ち点9/得失点差-6)
11位:中央大学(勝ち点5/得失点差-7)
12位:筑波大学(勝ち点5/得失点差-13)
文=内藤悠史