先輩たちから猛烈な祝福を受けるGK廣末 [写真]=川端暁彦
平成26年度全国高等学校総合体育大会サッカー(男子)の2回戦が3日に行われ、帝京大可児(岐阜)と青森山田(青森)が対戦した。
シードされていた帝京大可児高校と1回戦を快勝で突破した青森山田高校の一戦。タフに守りを固める強いられる高円宮杯プレミアリーグでは5バックシステムを採用していた青森山田だが、この試合は4バックでスタート。攻撃的な姿勢を打ち出しながらこの一戦に臨んだ。
しかし、立ち上がりに先手を取ったのは帝京大可児だった。開始6分、クリアボールを拾っての二次攻撃でスルーパスから巧みに抜け出したのはセンターフォワードの藤田章太郎。エースナンバー“10”を背負う男が、この絶好機をキッチリと決めて先制点を奪い取る。だが、青森山田もこれでは終われない。続く12分、今度は青森山田の“10番”を背負うFW丹代藍人が裏へと抜け出し、同点ゴールを奪い取る。試合は瞬く間に振り出しへと戻った。
取って取られての点取り合戦と化す。そんな予想も成り立つ立ち上がりだったが、この一連の攻防がお互いの選手たちを慎重にしたのだろう。以降は互いの攻撃を守備が上回る拮抗した試合展開となった。後半に入ると交代選手を入れて活性化を図った青森山田が押し込む時間帯が長くなったが、帝京大可児もDF森永佑を中心にこの攻勢に粘り強く対抗。逆に交代出場のFW黒木将太を走らせて逆襲の機をうかがい続けた。
終盤は動きの落ちた青森山田を帝京大可児が押し込む時間帯も作り、ギリギリの反則を強いるシーンも少なくなかったが、ここは長身DF菊池流帆を核とする青森山田守備陣も崩れることなく対応を続ける。青森山田に訪れたロスタイムの絶好機も決まらず、1-1のまま後半も終了。決着はPK戦へ委ねられることとなった。
そのPK戦は青森山田の1年生GK廣末陸の独壇場となった。帝京大可児のキックを読み切って、3人を立て続けにストップ。PK戦を3-0で制した青森山田が帝京大可児を下して3回戦進出を果たした。
青森山田は4日に、3回戦で尚志(福島)と対戦する。
(取材・文=川端暁彦)