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大宮アルディージャジュニア、バルサ相手に感じた手ごたえと悔しさ

2014.08.29

得点を挙げ、喜ぶ大宮アルディージャジュニアの選手たち [写真]=川端暁彦

「われわれと似たようなポゼッションをする、非常にレベルの高いチームだった」

 FCバルセロナを率いるマルセル・サンス・ナバーロ監督は、大宮アルディージャジュニアとのグループリーグ第2戦を終えて、そんな言葉を残した。実際、この試合の大宮はバルセロナとよく渡り合った。「前半はある程度やろうとしている部分ができた」と丹野友輔監督が振り返ったように、意図を持ってボールを動かして相手のプレッシャーをかわす時間帯もあり、「大宮らしさ」を出せていた。

 全日本少年サッカー大会埼玉県予選決勝で敗れていた大宮は今夏、ベルギー遠征を挙行。アヤックスなどの強豪クラブと戦う機会を得ることで、国際経験を蓄積させていたことも大きかったかもしれない。10番を背負うFW大澤朋也のゴールで先行した前半は、勝機も感じさせる内容だった。

 ただ後半に入ると、選手交代からギアを上げてきたバルセロナが大宮の守りを上回る展開に。「僕らがボール(の支配権)を握れている時間を作れていれば、バルセロナであっても対抗できる」という指揮官の言葉は、裏を返せばボールを握れなくなると対抗できなくなるということでもある。「フィジカルで上回っている相手に対して、技術でも上回られてしまっては……」(丹野監督)。後半は少々強引な突破も織り交ぜてきた相手に対して精神的にも押し込まれ、大量4失点。無念の敗北となった。

 試合前、「本気でバルセロナに勝てると思っているやつらは手を挙げろ」と問い掛けたとき、挙手した選手は一人もいなかったという。指揮官に「ライオンとやるわけじゃねえんだぞ!」と発破をかけられ、それに応えて敢闘した選手たちは「もっと頑張れば勝てたかも」というほのかな実感をつかんだのだろう。試合後、大宮の選手たちは号泣していた。その様子を見た丹野監督は「本気で勝ちにいったからこその悔しさだ」と、選手たちの変化に手ごたえを得た様子だった。

文=川端暁彦

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