グループステージでバルセロナと対戦した諏訪FC(オレンジ)[写真]=川端暁彦
長野県諏訪市にある「諏訪FC」。社会人チームとジュニアユース、そして今大会に出場したジュニア(プライマリー)と保護者によるママさんチーム。そんな4つのチームを保有する街クラブだ。今回のジュニアサッカーワールドチャレンジでは、そんな街クラブにも門戸が開かれた。
公募の中から選ばれた諏訪FCプライマリーの結果を先に言ってしまうと、0-8、0-8、0-9。まさに惨敗というべきスコアが並んでしまった。全日本少年サッカー大会の長野県大会で準優勝を飾っている諏訪FCは決して弱小というわけではない。ただ、8人制のミニコートだった全少に比べると、11人制のフルコートで行われるこの大会はフィジカル面の差も出やすい。実力差があったことは否めなかった。
そんな彼らがグループリーグ最終戦で当たったのは天下のFCバルセロナ。当然のように圧倒的にボールを支配される苦しい展開。次々と割られるゴールに心まで割られそうなものだったが、ハーフタイムには「1点とは言わねえ。まず1本、シュートを打とうぜ!」なんて声も飛んだ。その声に応えて後半開始早々にはちょっと無茶なミドルシュートも飛び出し、さらに選手たちは前からボールを追い続けた。
「脱帽しました」
そんな言葉を残したのは、諏訪の監督ではなくバルセロナのマルセル・サンス・ナバーロ監督だ。「普通はこのくらいの点差になれば、あきらめてしまうもの。ところが、諏訪は最後まであきらめずに戦う気持ちを出してきた」と賛辞を贈った。MF伊藤めぐみら、4人の女子選手の奮闘も目立った諏訪FCは、バルセロナ相手にハートのこもったプレーをしたチームという記憶を残すことに成功したようだ。
文=川端暁彦