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武藤や皆川、ケルン長澤も昨季までプレー…プロ予備軍の宝庫、関東大学1部リーグの後期日程がいよいよ開幕!

2014.09.05

昨季まで大学リーグでプレーしていたケルンMF長澤(左)とFC東京の日本代表FW武藤(右) [写真]=内藤悠史

 関東大学1部リーグの後期日程が、6日に開始される。

 1部リーグで最も注目が集まるのは、王者・専修大が4連覇を達成するかどうか。前期日程を8勝2分け1敗、勝ち点26の首位で終えた。2位につける順天堂大との差は2ポイントとなっている。昨季まで大黒柱として君臨していたMF長澤和輝(現・ケルン)とMF下田北斗(現・ヴァンフォーレ甲府)が抜けてもなお、流動的なパスワークを基盤とした攻撃力は群を抜いている。前期11試合で挙げた得点は30に達し、他を寄せ付けない破壊力でリーグをけん引している。チームの中軸を担うのは、昨季の得点王FW仲川輝人(4年・川崎フロンターレU-18出身)と、現在9ゴールで得点ランク首位のFW前澤甲気(4年・清水商業高校出身)。さらに、長澤から背番号「7」を受け継いだMF北出雄星(3年・三菱養和SCユース出身)も4得点5アシスト(リーグトップ)と、着実に結果を残している。

 専修大を追う上位陣は混戦だ。順天堂大が勝ち点24で2位につけ、同21で早稲田大慶應義塾大が並んでいる。3チームの共通点は堅い守備で、失点数はいずれも一桁台。順天堂大は、小柄ながらも巧みなボールコントロールと俊敏なドリブル突破を備えるU-20日本代表FW長谷川竜也(3年・静岡学園高校出身)を中心に、リーグ2位の18得点を挙げている。一昨季が3位、昨季は2位と安定した成績を残してきている早稲田大は、前期最終節で専修大に0-3と完敗。試合後は古賀聡監督から厳しい言葉も投げかけられていたが、悔しさをばねに巻き返しを図る。また、昨季は10位に低迷し、ぎりぎりで1部残留を果たした慶應義塾大は、豊富な運動量と堅守からの速攻を打ち出し、しぶとく勝ち点を拾ってきている。首位・専修大との勝ち点差は5で、まだまだ射程圏内と言えるだろう。

 中位には、U-21日本代表に大学勢唯一で選出されたDF室屋成(2年・青森山田高校出身)を擁する明治大や、昨季のインカレ(全日本大学サッカー選手権大会)で準優勝を果たした国士舘大、1部復帰初年度で健闘を見せる駒澤大らが続く。11試合でわずか1勝と苦しんでいるのが中央大筑波大。幾度もの優勝経験を持つ名門が、勝ち点を伸ばせずに2部降格圏内に低迷している。とりわけ筑波大は、降格となれば同校史上初の不名誉な記録となってしまうだけに、川崎フロンターレ加入内定のDF車屋紳太郎(4年・大津高校出身)を軸に奮起したいところだ。

 ハビエル・アギーレ監督が率いる新生・日本代表に初選出されたFC東京FW武藤嘉紀慶應義塾大4年)や、サンフレッチェ広島FW皆川佑介中央大出身)は、昨季までこの舞台に身を置いて戦っていた。専修大をけん引していたMF長澤は、Jリーグクラブを経ずに「大学経由・即海外」という挑戦に乗り出し、ケルンへ移籍。卒業前の今年1月から合流した新天地で見事に定位置を掴み、ブンデスリーガ1部昇格に貢献した。他にも、川崎で主力として活躍するMF谷口彰悟筑波大出身)やヴァンフォーレ甲府で先発出場を続けるMF稲垣祥(日本体育大出身)、鹿島アントラーズで新エースの座を狙うFW赤崎秀平筑波大出身)など、数多くの選手がJリーグへと戦いの場を移し、奮闘している。今季開幕時、関東大学1部リーグからJ1・J2クラブに加入した選手は25名を数える。まさにプロ予備軍と言える舞台だが、もはやそこにとどまることなく、日本代表や海外移籍との距離も縮まり、よりハイレベルな戦いが期待されるリーグとなった。武藤と皆川の日本代表選出は、同世代の選手たちにとって間違いなく刺激になったはずだ。熱い戦いが繰り広げられることだろう。今までは大学リーグと縁がなかったというサッカーファンにも、ぜひ一度、会場へ足を運んでもらいたい。

 関東大学1部リーグ、前期日程(第11節)終了時点での順位表と、後期開幕節(第12節)の日程は以下のとおり。

1位:専修大学(勝ち点26/得失点差+20)
2位:順天堂大学(勝ち点24/得失点差+10)
3位:早稲田大学(勝ち点21/得失点差+6)
4位:慶應義塾大学(勝ち点21/得失点差+6)
5位:明治大学(勝ち点18/得失点差+5)
6位:国士舘大学(勝ち点18/得失点差+2)
7位:駒澤大学(勝ち点16/得失点差-6)
8位:流通経済大学(勝ち点11/得失点差-6)
9位:桐蔭横浜大学(勝ち点10/得失点差-11)
10位:東京国際大学(勝ち点9/得失点差-6)
11位:中央大学(勝ち点5/得失点差-7)
12位:筑波大学(勝ち点5/得失点差-13)

▼6日
順天堂大vs中央大(味の素フィールド西が丘、11時30分開始)
専修大vs筑波大(味の素フィールド西が丘、13時50分開始)
国士舘大vs駒澤大(龍ヶ崎市陸上競技場たつのこフィールド、11時30分開始)
明治大vs流通経済大(龍ヶ崎市陸上競技場たつのこフィールド、13時50分開始)
慶應義塾大vs桐蔭横浜大(ゼットエーオリプリスタジアム、13時50分開始)
▼7日
早稲田大vs東京国際大(早稲田大学東伏見サッカー場、13時50分開始)

文=内藤悠史


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